著者
玉川 洋 米山 克也 菅野 信洋 神 康之 笠原 彰夫 山本 裕司 高梨 吉則
出版者
横浜市立大学
雑誌
横濱醫學 (ISSN:03727726)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.145-149, 2005-03-31
被引用文献数
1

症例は14歳,男児.開腹歴を含め,既往歴に特記すべきものなし.下痢,腹痛を主訴に来院し,抗生剤投与で一時軽快したが,その後腹部膨満感出現し,緊急入院となった.入院時血液検査所見で炎症反応の異常高値とCT検査上絞拒性イレウスの所見を認めたため緊急開腹手術を施行した.術中所見は回腸から約60cm口側にメッケル憩室を認め,そこに付着したmesodiverticular bandにより回腸が内ヘルニアを形成していた.小腸は広範囲に壊死しており,小腸部分切除を行った.mesodiverticular bandによるイレウスは稀で,術前診断は困難であるため手術歴のないイレウスの原因として考慮すべきであると考えられた.
著者
山崎 健一朗 和田 浩卓 桜田 伊知郎 門之園 一明 佐伯 宏三
出版者
横浜市立大学
雑誌
横濱醫學 (ISSN:03727726)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.197-200, 2005-05-31

背景:脈絡膜破裂を伴った外傷性黄斑円孔に対し硝子体手術を行った一例を経験したので報告する.症例と所見:26歳女性,うちあげ花火が直接右眼にあたり鈍的外傷となった.初診時の矯正視力は0.01であり,白内障,前房出血,黄斑円孔,脈絡膜破裂に伴う黄斑下出血と網膜浮腫がみられた.3週間後黄斑円孔は拡大した.6週後の蛍光眼底造影にて黄斑部に及ぶ網膜循環障害を認めた.受傷6週間後にインドシアニングリーンを用いた内境界膜剥離術を行った.黄斑下手術は行わなかった.結果:術後黄斑円孔は閉鎖し,視力は0.5に改善した.重篤な術後合併症は見られなかった.結論:脈絡膜破裂のある外傷性黄斑円孔に対しても硝子体手術は有効であると考えられた.