著者
菅野 理子 本多 庸悟 金子 俊一
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.25(1992-CVIM-082), pp.95-102, 1993-03-18

ゴッホやマティスなどの絵画は、それを見れば容易に描いた画家を推測できるような、タッチ(筆触)やマチェール、ヴァルールなどにおける独自の特徴を持っている。本研究は油絵におけるタッチに的をしぼり、タッチを自動的に抽出して、その特徴を定量的に記述することを目的とする。ここでは、タッチが色彩によって抽出できるものとし、人間の色知覚に基づいたマンセル表色系を用い、タッチをその色相に基づく領域として抽出し、実験を行った。研究の過程において、色補正変換を含むRGB/マンセル表色系変換システムも作成して用いた。実験の結果、タッチを色相だけから抽出することの可能性と困難さが示されたが、一応の知見が得られたので報告する。