著者
安達 靖代 岩田 徳和 足立 靖 中村 浩子 菊地 剛史 中村 正弘 見田 裕章 吉田 幸成 木下 一郎 石井 良文 遠藤 高夫
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.117, no.6, pp.532-541, 2020-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
30

IgG4関連自己免疫性肝炎と肝炎症性偽腫瘍の合併例を経験した.症例は80歳代女性.肝障害,IgG高値を認め自己免疫性肝炎を疑い肝生検施行,IgG4関連自己免疫性肝炎と診断された.その後肝腫瘤が出現,肝炎症性偽腫瘍と考えられた.IgG4関連自己免疫性肝炎はIgG4関連疾患の肝実質病変とされ,一方,炎症性偽腫瘍の一部もIgG4関連疾患と考えられている.両疾患の合併の報告はなく,貴重な症例と考えた.