- 著者
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菊池 万里
小林 久壽雄
久保 文夫
風巻 紀彦
- 出版者
- 富山大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2002
研究成果の概略は次の通りである.・完備な確率空間上のBanach関数空間Xにおいて,マルチンゲールf=(f_n)のsquare function Sfに関するBurkholder型のノルム不等式c‖f_∞‖_X【less than or equal】‖Sf‖_X【less than or equal】C‖f_∞‖_Xが成り立つための必要十分条件を与えた.ここにf_∞はf=(f_n)の概収束極限を表す.・一様可積分なマルチンゲールf=(f_n)に対して,Af=(Af_n)を|f_∞|から生成されるマルチンゲールとする.XをBanach関数空間とするとき,SfとS(Af)が同時にXに属すための(Xがみたすべき)必要十分条件を与えた.・完備確率空間上の再配分不変なBanach関数空間Xに関連した新たな再配分不変空間H_p(X)及びK(X)を定義し,XとH_p(X),K(X)の間に成立する種々のマルチンゲール不等式を確立した.・完備確率空間上のBanach関数空間XにおいてDavis型のマルチンゲール不等式‖Mf‖_x【less than or equal】C‖Sf‖_xが成立するための必要十分条件を与えた.その結果として,この不等式が任意のマルチンゲールに対して成立すると仮定すれば逆向きの不等式‖Sf‖_X【less than or equal】C‖Mf‖_Xも自動的に成立することを証明した.ここに,Mfはfのmaximal functionを表す.・マルチンゲールf=(f_n)に対して,θf=(θf_n)をθf_n=sup_<0【less than or equal】n【less than or equal】m【less than or equal】∞>E[|f_m-f_<n-1>‖F_n]のように定義する.θfはfの最大振動を表す量と考えられる.Banach関数空間において,θfに関するある種のノルム不等式が成立するための必要十分条件を与えた.