著者
吉田 展也 竹内 操 菊池 利也 嶋倉 道郎
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.266-275, 1996-04-01
参考文献数
43
被引用文献数
11

チタンは軽くて生体親和性や耐腐食性に優れているため,従来の歯科用金属に代わるものとして補綴領域でも注目され,鋳造冠や金属床の分野においても実用化されつつある.このチタンの性質の1つとして,表面の酸化被膜を介して高分子材料と強固に接着するということもあげられる.この性質をうまく硬質レジン前装冠に応用すれば,従来の機械的維持装置をレジン前装部から除き,審美性を高めることも可能である.今回はそのための基礎的実験として,接着と密接に関係するといわれている濡れに着目し,種々の処理を行ったチタン表面に対する金属接着性プライマーおよび蒸留水の接触角を測定することにより,濡れを良くする表面処理方法を検討した.