- 著者
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菊田 安至
大西 堂文
- 出版者
- 日本獸医師会
- 雑誌
- 日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.1, pp.26-30, 1987
- 被引用文献数
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正常な一般家庭犬81頭の血清中のcreatine kinase (以下S-CK) 活性値を測定したところ, その平均値は27.31U/<I>l</I>, 正常範囲は8.0~72.0で, 正常ビーグル犬62頭では, 平均26.11U/<I>l</I>, 正常範囲は13.0~41.0であり, 一般に幼若犬で高い傾向が認められた. S-CKには3つのisoenzyme (以下IE) が認められ, 各IEの百分率の平均および正常範囲は, 一般家庭犬ではCK-MMが46.3%(9.6~83.0%), CK-MBが8.2%(3.5~16.7%), CK-BBが38.5%(3.8~73.3%) であった. ビーグル犬ではCK-MMが45.3%(20.0~70.3%), CK-MBが10.1%(4.6~14.7%), CK-BBが30.5%(14.7~46.4%) であった. なお, これら143頭中61頭でCK-MMの陰極または陽極側にサブバンドが認められた.<BR>また, creatine kinase (以下CK) 活性は, 調べたすべての臓器中に存在し, CK-MMは骨格筋や心筋に, CK-MBは平滑筋組織や心筋に, CK-BBは大脳や平滑筋組織に多い傾向が認められた.<BR>循環血液からのCKの各IEの半減期は, CK-MMが122.0分 (SD=23.9), CK-MBが125.7分 (SD=22.7), CK-BBが49.7分 (SD=11.0) であった.<BR>これらのことより, S-CKの測定は骨格筋や心筋, 平滑筋などの疾患の診断に有用であろうと考えられた.