著者
萩原 崇史 府川 和彦 鈴木 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.356, pp.49-54, 2005-10-13
被引用文献数
1

受信機において最尤検出を前提とし, そのビット誤り率を最小とするMIMO-OFDMプリコーディング方式を提案する.従来のプリコーディングでは線形受信を前提とし, 受信側で各送信信号を特性劣化無しで分離検出するように, 固有モード伝送等により送信信号を直交化していた.したがって, 平均2乗誤差を規範とする線形受信では, 近似的に最小ビット誤り率を実現できる.しかしながら, 受信レプリカ信号間のユークリッド距離を広げるわけではないので, 最尤検出を用いた場合に最適なプリコーダとならない.本研究では, このユークリッド距離を最大限広げるため, ペアーワイズ誤りに基づくビット誤り率の上限を最小化するように, 送信信号の線形処理を制御するMIMO-OFDMプリコーディングを提案する.計算機シミュレーションにより, 従来方式のMMSEプリコーダに比べ最尤検出のビット誤り率特性を大幅に改善できることを明らかにする.