著者
萩原 義裕 水澤 信忠 ファン・ティ・ホン・ザン 清水 昭伸 小畑 秀文 縄野 繁 武尾 英哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.425, pp.1-6, 2002-11-01
被引用文献数
4

本研究の目的は,マンモグラム上のコントラストが極めて淡い乳がん微小石灰化像の高精度な抽出方法を提案することである.提案方法は,ウェーブレット空間から求められる特徴量を用いてマハラノビスの距離比に基づいた分類器を用いたものである.特徴量は40種類の中からROCカーブの下面積Azを最大にするように選択される.本システムは,モルフォロジカルフィルタを基にした方法により抽出した候補領域を利用するため,背景組織の誤抽出を防ぎつつ,淡い微小石灰化像の高精度な抽出が実現される.提案システムを用いた実験の結果では,従来システムと比べ,微小石灰化像の抽出率を落とすことなしに,誤検出率を大幅に削減できた.これにより,提案システムの有効性が確認された.