著者
萩野達也 Tatsuya Hagino 京都大学大型計算機センター
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.16-32,
被引用文献数
2

カテゴリー理論的関数型言語は,カテゴリー理論に基づいた関数型プログラミング言語で,カテゴリー理論的に随伴関手を使ってデータ型を定義し,その上でプログラムを書くことができる.この言語では元々定義されたデータ型が存在せず,すべて随伴関手の機能を使って定義される.定義可能なデータ型には,終対象,始対象,積,和,関数型,自然数,有限リスト,無限リスト等がある.また,この言語は,制御構造も元々は定義されておらず,データ型の定義と共にそのデータ型に関する基本演算および制御構造が定義される.そして,プログラムの実行のための計算規則は,カテゴリー理論によって,単純な統一されたものとなっている.
著者
Christian Bizer Tom Heath TimBerners-Lee 翻訳:萩野達也
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.284-292, 2011-03-15

人間の知的創造物であるコンテンツを,記録し配信するメディアの手段として,今日,IT技術,とりわけインターネットの果たす役割は大きい.その中で,LODが今後メディア業界で担っていくであろう役割を考える.具体的事例として,BBCとThe New York Times が取り組んでいる施策を紹介し,考察する.また,広くメディアの歴史を概観する中で,LODの立ち位置を考える.その過程では,データとしてのコンテンツよりも,それらを「つなぐ」ことに価値があるという世界が明らかになるだろう.筆者らは,データのみならず,アプリケーション,さらに,サービスを「つなぐ」,LOAおよびLOSを提唱したい.