著者
商 倩 落合 勇介 崔 庭瑞 日比野 治雄 小山 慎一
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第57回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.P37, 2010 (Released:2010-06-15)

照明方向が顔の印象に影響を与えることは先行研究によって指摘されているが,顔の好ましさに与える影響を定量的に評価した研究は行われていない.そこで本研究では,左または右からの照明が顔および物体の好ましさに与える影響について検討した.提示刺激は、顔に見える図形・物体に見える図形・顔写真の3種類であった.刺激として顔に見える図形と顔写真を提示する場合,単純に顔と認識させる事が重要であるため,表情による印象変化や顔の非対称性などの要因を排除した画像を用いた.明るさはグラデーションで表現した.左側が明るい画像,右側が明るい画像を画面の上下にランダムに提示し,被験者にはどちらか印象の良いほうを選ぶよう教示して印象を評価してもらった.さらに,刺激を倒立させて同様の実験を行った.結果としては3種類全ての場合において,左側を明るくした方が良い印象を与えるという傾向が認められた.特に顔に見える図形および顔写真ではその効果が大きかった.刺激を倒立させた場合は、物体に見える図形においてのみ,その効果は減少した.