著者
新田 涼輔 葛目 幸一 桝田 温子 益崎 智成
雑誌
研究報告アクセシビリティ(AAC) (ISSN:24322431)
巻号頁・発行日
vol.2022-AAC-18, no.20, pp.1-6, 2022-03-01

視覚障碍者のスマートフォンの所持率は年々増加しており,スマートフォンに内蔵された GPS と音声機能によって屋外での歩行支援が可能になりつつある.しかし,駅構内や地下街などの非 GPS 環境下での歩行支援は難しく,近年様々な方式のインドアナビゲーション技術が提案されている.現在,我々は視覚障碍者が歩行時に使用する点字ブロックに着目し,点字ブロックの周辺に限定した「地磁気マップデータベースを利用したインドアナビゲーション技術」の開発を行っている.本研究では,リアルタイムナビゲーションを実現するために, ユーザが一歩,歩くごとに DTW (Dynamic Time Warping) 処理によって自己位置推定を行うシステムと点字ブロックの敷設情報を利用した新たな地磁気マップデータベースの作成法を提案する.提案したシステムは,加速度センサ,地磁気センサと制御用 PC から構成されており,実験により次に示す結果が得られた.① 1.2m以内の誤差でリアルタイムで自己位置推定ができる.② 音声機能を付加した簡易ナビゲーション実験により,同程度の誤差でナビゲーションが可能である.③ 点字ブロックを目印に歩行し,地磁気を計測することによって高精度の地磁気マップデーベースを容易に作成でき,地磁気マップ作成に要する労力を大幅に削減できる.
著者
上松 弘明 山本 長敏 葛目 幸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.95, no.501, pp.127-132, 1996-01-27
参考文献数
9
被引用文献数
1

阪神大震災などの大規模災害には, 被災者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)ばかりでなく, 援助活動に従事した人や外部からのボランティアが精神的ストレスに悩まされる間接被災の問題が取り上げられるようになった. これの1つの解決策として, パソコンのマルチメディア機能を利用するELIZAシステムを提案する. 自然言語で対話するELIZA(別名DOCTOR)システムは, M.I.TのWeizenbaumが精神科医C.Rogersの患者中心の精神療法に基づいて開発したシステムである. 現在Emacs Lispのデモプログラムとして容易に利用できるので, これに震災用語を追加し, テキストリーダーのソフトウェアと結合して, 音声発話を可能にした.