著者
蒔田 直昌
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.190-192, 2012 (Released:2015-07-01)
参考文献数
13

先天性QT延長症候群(LQTS)は,心電図上にQT時間の延長とtorsade de pointes(TdP)と呼ばれる重症心室性不整脈を生じて,失神や突然死をきたしうる疾患で,現在までに13の遺伝子型(LQT1~13)が報告されている.このうちLQT1,LQT2,LQT3の3つの遺伝子型の頻度が全体の75%を占めており,それぞれ原因遺伝子であるKCNQ1,KCNH2,SCN5Aの異常が報告されている.先天性LQTSでは,あらかじめ遺伝子型を知ることが,TdPの予防および治療において重要であり,鑑別にはエピネフリン負荷試験が有用である.遺伝子型特異的治療として,LQT1ならびにLQT2では,β遮断薬が第一選択であり,LQT3ではIb群のNa+チャネル遮断薬(メキシレチン)の投与やペースメーカ治療が有用とされている。
著者
筒井 裕之 蒔田 直昌 絹川 真太郎 松井 裕 石森 直樹 畠山 鎮次
出版者
北海道大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008

ミトコンドリアの生体維持機能は、ミトコンドリアDNA(mtDNA)によって動的に制御されている。近年、mtDNAの酸化損傷およびそれに起因する活性酸素の過剰産生が、種々の疾病の発症、さらには老化にも関与することがあきらかにされ、疾病発症の共通基盤としてのミトコンドリア機能不全が注目されている。本研究では、心血管ストレス応答におけるミトコンドリア転写因子およびミトコンドリア酸化ストレスの役割をあきらかにした。