著者
宮口 和義 出村 愼一 蒲 真理子
出版者
日本発育発達学会
雑誌
発育発達研究 (ISSN:13408682)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.43, pp.43_1-43_10, 2009 (Released:2010-09-30)
参考文献数
17

This study aimed to verify the achievability of various motor tasks using a children's ladder according to age level in preschool children, and to examine the relationship between motor tasks and fundamental motor ability. The subjects were 625 preschool children (300 boys and 325 girls) aged 4 and 5 years old. They performed nine kinds of ladder tasks and fundamental motor ability tests (20 meter dash, standing long jump, tennis-ball throw, and beam cross-jump). There are significant differences between the achievement rates of both age groups in all motor tasks. The 5 year old group showed higher values than the 4 year old group. The achievement rate of a quick skip was the low in both age groups. It was suggested that the relationship among motor tasks differs largely in both age groups from verifying correlations ; these figures being higher in the 5 year old group. Because the nervous system functions coordinating movement develops markedly between the ages of 4 and 5, this relationship may increase with age. Multiple correlations between the total score of motor ability and the nine ladder tasks were significant in both age groups (4 yrs : 0.547, 5 yrs : 0.502, p<0.05). It was suggested that the contribution of the “open-close jump” to the fundamental motor ability is substantial. Partial correlations for the “open-close jump”, “quick skip”, and “zigzag jump” were large in the 4 year old group. The scores for the “quick skip”, “twist jump”, and “lateral dash” were greater in the 5 year old group. It is therefore concluded that these motor tasks are effective in improving the coordination ability of today's children.
著者
佐野 新一 蒲 真理子
出版者
北陸大学
雑誌
北陸大学紀要 (ISSN:0387074X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.229-239, 1988

本研究の目的は,女性社会人が自分の体格,プロポーションに対してどのように意識しているか,またどのようなプロポーションを理想としているかを明きらかにすることである。昭和63年6月〜7月,石川県内の女性社会人111名を対象にアンケート調査を実施した。得られた結果は,次に示すとおりである。1)肥痩自己評価の分布をみると,太っている・太り気味であると自覚する人は,過半数(54.9%)を占める。この割合は,20代で最も多く(71.1%),年齢が増すとともに下がる。2)現実の身長・体重・胸囲・ウエストの全体平均値は,156.5cm・50.7kg・82.9cm・63.7cmである。各自己評価群のローレル指数は,5群(156・肥満型),4群(135・中型),3群(123・中型),2群(117・細長型),および1群(110・細長型)である。太っている,太り気味と自覚している評価5群,4群の61人中51人(83.6%)は,厚生省の判定基準でみると,普通あるいは痩せ気味に属することになり,自分を太り気味に意識しがちである傾向,すなわち実態と意識のずれがみられた。3)理想とする身長・体重・胸囲・ウエストの全体平均値は,160.1cm・48.8kg・83.5cm・60.0cmである。また現実値と比較すると,理想値は身長および胸囲では大きく,逆に体重およびウエストでは小さな値を示した。各自己評価群の理想値のローレル指数および現実-理想値間の偏差をみると,5群では128 (-28),4群では119 (-16),3群115 (-8),2群では116 (-1),および1群113 (3)となり,太っている,あるいは普通であると自覚する群において,痩身スタイル指向が顕著に示された。4)身長との相関では体重のほかはいずれも低い値を示した。また,全体の平均身長に対する各項目の回帰直線をみると,体重およびウエストにおいては評価2群で,胸囲では評価4群で現実値と理想値が最も近似している。5)自分の体型(プロポーション)で気になる部位は,お腹(ウエスト),お尻,あしの3ヶ所に集中している。
著者
佐野 新一 蒲 真理子 北野 与一
出版者
北陸大学
雑誌
北陸大学紀要 (ISSN:0387074X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.223-240, 1987

本研究では,本学における今後の保健体育科教育の在り方を再検討するための基礎的資料を得ることを目的とし,学生の健康・スポーツに関する意識および実態について分析・検討を試みた。本調査は,本学1年次生489人を対象に5月中旬に実施され,462人(94.5%)の回答を得た。得られた結果は,次に示すとおりである。1)健康のとらえ方(複数回答)としては,「身体各器官の構造・機能が正常である」(76.0%)が最も多く,以下「便通・排尿が順調である」(71.0%),「食欲旺盛である」(63.6%)等の順であり,身体的側面の内容を一次的に,精神的・社会的側面に関する内容を二次的に考えている。2)現在の健康や体力の状態については,全体の17.5%が「あまり健康でない」,そして,19.7%が「体力がない」と回答した。3)心身の主な自覚症状については,「疲れやすい」「悩みがある」「肩がこる」「かぜをひきやすい」および「イライラする」などを挙げる者が多く,また4人に1人が「学習意欲がない」と回答した。4)自分の健康や体力について「常に注意を払っている」が19.1%,「時々注意を払っている」が54.3%であるが,関心のない者も4人に1人の割合を示した。5)健康や体力維持増進のため心掛けていること(複数回答)は,男子では「睡眠や休養をよくとる」(60.3%)が最も多く,以下「体操や散歩などの運動(スポーツを含む)をする」(52.7%)「栄養や食事などの食生活に気をつける」(44.8%)などの順である。一方,女子の第1位は男子と同様「睡眠や休養」(62.3%)であり,次いで「規則正しい生活」(43.9%),「栄養や食事」(42.6%)等の順となり,「運動やスポーツをする」は男子に,「規則正しい生活」は女子に多く示された。6)男女とも身体活動に対して好意的態度を示す者が多い。また,「運動不足による運動欲求」や「運動への心掛け」の点において,女子より男子の方に好意的態度が強い傾向がみられる。7)現在の運動部および同好会への所属率は,全体的では41.8%である。女子より男子の方に,また,外国語学部より薬学部の方に所属者が多い。8)加入した動機(複数回答)は,「好きだから」(70.7%)「体力増強のため」(61.0%)「親睦」(50.0%)などが多い。逆に加入しない理由は,「自由時間を制限される」(55.9%)が最も多く,以下「好きな種目のクラブがない」(39.1%)「スポーツ以外のものをしたい」(37.3%),「通学時間の関係で時間的余裕がない」(32.3%)の順である。9)体育実技の授業を除く運動・スポーツの実施状況は,全体では,38.3%が「全然していない」と回答しており,体育系サークルに加入してない一般学生のスポーツに親しむ機会は極めて少ない。また,実施量の少ない者の割合は,性別では男子より女子に,学部別では薬学部より外国語学部の方に多い。10)現在の運動量に対しては,68.6%が「不満である」とし,80.3%が「もっと運動したいとか,しなければならない」と感じている。