著者
蓮田 安信 石井 正人 桔梗 洋右
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.341-344, 2002-06-20
被引用文献数
4

茨城県西地域の6農場の乳牛200頭について顕微鏡凝集反応法により, レプトスピラの抗体調査を実施した.陽性反応とした陽性限界値は抗体価128倍以上とした.その結果, 4農場由来の30頭が陽性 (陽性率15%) であった.調査に用いた3血清型のうちで, 抗体陽性牛数は<I>L</I>. autumnalisが10頭, <I>L</I>. hebdomadisが22頭であったが<I>L</I>.icterohaemorrhagiaeは検出されなかった.茨城県西地域における乳牛のレプトスピラ抗体の陽性率は信頼度95%で15%と推定され, 区間推定で10~20%となった.すべての抗体陽性牛はレプトスピラ症の臨床症状を示していなかった.これらの結果から本地域において乳牛のレプトスピラ感染が広く浸潤している可能性が示唆された.