著者
倉嶋 利雄 薄 知規 田中 郁昭 佐藤 昌志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.397-400, 1997 (Released:2010-06-04)
参考文献数
12

構造物の安全性・信頼性の評価を行う上で、構造物自体の損傷の程度を的確に捉えることは重要である。従来実施されている構造物の損傷の発生・進展の程度を調べるための評価手段は、歪みゲージなどの電気的なセンサを用いた方法であり、構造物の変状を連続的に調査するために多くのセンサを用いらなければならないだけでなく、センサ毎に電力・信号ケーブルを必要とするなど設置および維持管理上問題点が多かった。本論では、これらの問題点を解消するための手段として期待されている、光ファイバ歪み・損失統合型OTDRを用いた構造物の変状計測手法について検討を行った。モデル実験として、コンクリート単純梁の曲げ試験を行い、コンクリート構造物の弾性変形限界約100μmの歪みを光ファイバを用いて測定可能であることを実験的に確認し、本手法が構造物の歪み分布を測定する手段として有効であることを明らかにした。