- 著者
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薬師寺 文華
- 出版者
- 公益社団法人 日本薬学会
- 雑誌
- MEDCHEM NEWS
- 巻号頁・発行日
- vol.26, no.3, pp.121-124, 2016
<p>米国ボストンにあるハーバード大学、Broad Institute of Harvard and MITのStuart L. Schreiber教授が主宰する研究室に2年間留学する機会を得た。Schreiber研究室は、現在Broad Instituteの3階にあり、大学研究室の枠を越えた大規模な研究展開を行っている。最近では、ガン細胞における遺伝子発現と低分子化合物に対する感受性との間に相関を見出すことで、化合物の作用機構を考察する計算科学的手法を発表している。Schreiber教授の研究例を含め、大規模データ解析による知見の構築が次世代創薬の流れをつくりつつある。実際にBroad InstituteはGoogle genomicsと提携し、ゲノム解析ソフトGATKをGoogleクラウドプラットフォーム上で使用できるサービスを開始しており、生物医学や創薬研究に与えるインパクトの大きさがうかがえる。Schreiber研究室への留学という好機に恵まれたことに深く感謝し、今後も幅広い研究活動を行えるよう努力を重ねていきたい。</p>