著者
上西園 武良 薬袋 賢一 岡田 明
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.83-88, 2008-07-31

温水洗浄便座の洗浄強さ感に関して,目標とすべき範囲をいかに設計値へ変換するかについて検討した。変換に当っては,従来よりも汎用性のある手法となることを目指し,感覚強度を生じさせる物理量を仲介する方法を採用した。具体的には以下のようにして官能値(洗浄強さ感)を設計値に変換した。まず,官能値の定量化のため8名の被験者にて洗浄強さ感の比例尺度を構成した。次に,噴流の衝突力を測定し,洗浄強さ感との間に高い相関を見出し,官能値と物理量を相関付けた。さらに,61名の被験者による強さ感の使用範囲調査により大多数のヒトに適合できる範囲を推定し,物理量の範囲に変換した。最後に衝突力に関する物理モデルによって,物理量を設計値に変換した。