著者
上西園 武良 眞田 大輝
出版者
新潟国際情報大学経営情報学部
雑誌
新潟国際情報大学経営情報学部紀要 = Journal of Niigata University of International and Information Studies Faculty of Business and Informatics (ISSN:24342939)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-7, 2022-04-01

浴室内において、手押しポンプ容器から毛髪用リンスを使用する際、残量としては十分(残り1~2 割程度)であるにもかかわらず、リンス液が吐出しなくなる。ユーザとしては、使用の不満足感を抱く。さらに、残り続ける残留液の劣化の問題がある。この不具合に対して、複数の解決策が示されているが、十分とは言えない。ポンプ動作が十分保証されていない、あるいは、液充填量を大幅に低下させる、などの問題点を有している。そこで、本研究では、これらの問題点を回避し、吐出残量を最小化する改良案を提示する。まず、吐出しなくなる原因を調査した。リンス液が吐出しなくなった状態を観察すると、液面形状は水平ではなく、容器側面から中心に向かうにつれて窪むような漏斗(ロート)状になっている。このため、窪みの下部にあるポンプ吸入口とリンス液が接しておらず、残された液をポンプ内に吸入できないことが原因であった。この観察結果から、液面を水平に保てるように円盤状の物体を液面に乗せれば、吐出残量を少なくできると推定した。実際に、天然ゴム製の円盤を用いて効果を確認した結果、残量を186g から42g に大幅に低減(約80%減)することができた。
著者
上西園 武良 小柳 孝裕
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:24238465)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.96-102, 2016-04-01

缶入りコーンポタージュスープは、冬場の缶入りスープとして定着しており、幅広い年代の人に飲用されている。しかし、飲用後に缶内に粒コーンが残留し、粒コーンを全て飲み干すことができない、というユーザビリティ上の問題ある。この問題に対して、缶形状の改良やスープ粘度の調整などが提案されている。しかし、これら従来の研究では、本来注目すべき飲用時におけるユーザ動作に関して十分な解析がなされていない。そこで本研究では、飲用時におけるユーザ動作の人間工学的な解析を行い、飲用後の粒コーンの残留要因を明らかにした。まず、飲用時のユーザ動作の特徴と残留コーン数の関係を29 名の被験者実験によって明らかにした。この結果、残留コーン数は、種々のユーザ動作の特徴の中で、ユーザが何回に分けてスープを飲用するかの回数(以下では「飲む回数」)と強い相関(相関係数R=0.82)があることを見出した。さらに、この「飲む回数」とそのときの「缶の傾斜角度」を用いて模擬的な動作パターンを作成し、これを用いることで、被験者実験を行うことなく、残留コーン数に対するユーザ挙動を再現できることを示した。次に、缶内の粒コーンの挙動を観察するため、可視化を行った。金属缶は透明樹脂により透明化し、スープに関しては、ほぼ同一の粘性・密度を持つ透明液で置き換えた。これによって、飲用時における粒コーンの動きを観察可能にした。最後に、上記の模擬的な動作パターンを可視化した缶・スープで実行することにより、飲用時に粒コーンが残留する主要因は、飲み口の段差に粒コーンが引っかかってしまうことであることを実験的に明らかにした。
著者
上西園武良 小柳孝治
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:24238465)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.96-102, 2016-04-01

缶入りコーンポタージュスープは、冬場の缶入りスープとして定着しており、幅広い年代の人に飲用されている。しかし、飲用後に缶内に粒コーンが残留し、粒コーンを全て飲み干すことができない、というユーザビリティ上の問題ある。この問題に対して、缶形状の改良やスープ粘度の調整などが提案されている。しかし、これら従来の研究では、本来注目すべき飲用時におけるユーザ動作に関して十分な解析がなされていない。そこで本研究では、飲用時におけるユーザ動作の人間工学的な解析を行い、飲用後の粒コーンの残留要因を明らかにした。まず、飲用時のユーザ動作の特徴と残留コーン数の関係を29 名の被験者実験によって明らかにした。この結果、残留コーン数は、種々のユーザ動作の特徴の中で、ユーザが何回に分けてスープを飲用するかの回数(以下では「飲む回数」)と強い相関(相関係数R=0.82)があることを見出した。さらに、この「飲む回数」とそのときの「缶の傾斜角度」を用いて模擬的な動作パターンを作成し、これを用いることで、被験者実験を行うことなく、残留コーン数に対するユーザ挙動を再現できることを示した。次に、缶内の粒コーンの挙動を観察するため、可視化を行った。金属缶は透明樹脂により透明化し、スープに関しては、ほぼ同一の粘性・密度を持つ透明液で置き換えた。これによって、飲用時における粒コーンの動きを観察可能にした。最後に、上記の模擬的な動作パターンを可視化した缶・スープで実行することにより、飲用時に粒コーンが残留する主要因は、飲み口の段差に粒コーンが引っかかってしまうことであることを実験的に明らかにした。 製品設計 / ユ-ザビリティ / 飲料缶 / 人間工学
著者
中川 結果 上西園 武良
出版者
新潟国際情報大学経営情報学部
雑誌
新潟国際情報大学経営情報学部紀要 = Journal of Niigata University of International and Information Studies Faculty of Business and Informatics (ISSN:24342939)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.121-127, 2019-04-01

日常生活の中で歩行中にスリッパが脱げることは、煩わしく何らかの改良が必要である。この問題に対して、転倒リスクの軽減を図るなど脱離の発生そのものを研究したものはあったが、脱離の阻止に着目した研究は見当たらなかった。そこで本研究では、全てのユーザーが行うと考えられる脱離阻止の行動を強化する方法を用いてスリッパを改良することにより、脱離しにくくすることを目的としている。まず、脱離の種類と発生しやすい状況を明らかにする実験を行った。この結果、脱離の種類には初期残留、空中落下、飛び出しの3つがあること、および発生しやすい状況は滑りやすい靴下(ストッキング)着用時であったことを見出した。次に、阻止行動の特徴を抽出するために、2つの工夫(スリッパ上部を切り取り透明素材を装着した透明スリッパ、および上記の滑りやすい靴下)によって、スリッパ着用時における足指の動きを観察可能にした。この実験的な工夫により、スリッパ着用時の歩行の特徴は、スリッパへの足指の関節押付による摩擦増加と、地面とスリッパ底面角度を小さくするずれ落ち阻止の2タイプに分類できることを実験的に明らかにした。
著者
上西園 武良 小柳 孝治
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:24238465)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.96-102, 2016-04-01

缶入りコーンポタージュスープは、冬場の缶入りスープとして定着しており、幅広い年代の人に飲用されている。しかし、飲用後に缶内に粒コーンが残留し、粒コーンを全て飲み干すことができない、というユーザビリティ上の問題ある。この問題に対して、缶形状の改良やスープ粘度の調整などが提案されている。しかし、これら従来の研究では、本来注目すべき飲用時におけるユーザ動作に関して十分な解析がなされていない。そこで本研究では、飲用時におけるユーザ動作の人間工学的な解析を行い、飲用後の粒コーンの残留要因を明らかにした。まず、飲用時のユーザ動作の特徴と残留コーン数の関係を29 名の被験者実験によって明らかにした。この結果、残留コーン数は、種々のユーザ動作の特徴の中で、ユーザが何回に分けてスープを飲用するかの回数(以下では「飲む回数」)と強い相関(相関係数R=0.82)があることを見出した。さらに、この「飲む回数」とそのときの「缶の傾斜角度」を用いて模擬的な動作パターンを作成し、これを用いることで、被験者実験を行うことなく、残留コーン数に対するユーザ挙動を再現できることを示した。次に、缶内の粒コーンの挙動を観察するため、可視化を行った。金属缶は透明樹脂により透明化し、スープに関しては、ほぼ同一の粘性・密度を持つ透明液で置き換えた。これによって、飲用時における粒コーンの動きを観察可能にした。最後に、上記の模擬的な動作パターンを可視化した缶・スープで実行することにより、飲用時に粒コーンが残留する主要因は、飲み口の段差に粒コーンが引っかかってしまうことであることを実験的に明らかにした。製品設計 / ユ-ザビリティ / 飲料缶 / 人間工学
著者
上西園 武良 薬袋 賢一 岡田 明
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.83-88, 2008-07-31

温水洗浄便座の洗浄強さ感に関して,目標とすべき範囲をいかに設計値へ変換するかについて検討した。変換に当っては,従来よりも汎用性のある手法となることを目指し,感覚強度を生じさせる物理量を仲介する方法を採用した。具体的には以下のようにして官能値(洗浄強さ感)を設計値に変換した。まず,官能値の定量化のため8名の被験者にて洗浄強さ感の比例尺度を構成した。次に,噴流の衝突力を測定し,洗浄強さ感との間に高い相関を見出し,官能値と物理量を相関付けた。さらに,61名の被験者による強さ感の使用範囲調査により大多数のヒトに適合できる範囲を推定し,物理量の範囲に変換した。最後に衝突力に関する物理モデルによって,物理量を設計値に変換した。