著者
原野かおり 桐野 匡史 藤井 保人 谷口 敏代
出版者
日本介護福祉学会
雑誌
介護福祉学 (ISSN:13408178)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.163-168, 2009
被引用文献数
1

介護福祉の仕事は多種多様で多忙であるにもかかわらず報酬も低いこと等から,離職率が全労働者の平均を上回っている.本研究では,介護福祉職員が介護福祉の仕事を継続している動機と離職意向が生じたときに離職を踏みとどまった理由を明確にすることを目的として7人の介護福祉職員に半構造化面接を行った.その結果,仕事を続けられる理由には,「労働条件」「職場のよい人間関係」「利用者からの信頼」「やりがい」「理想とする介護との出会い」「介護への自信」「仕事に対する価値」「人が好き」の8カテゴリーが抽出された.踏みとどまった理由は,「労働条件」「職場のよい人間関係」「やりがい」「介護への自信」「仕事に対する価値」「負けたくない」「損得勘定」の7カテゴリーが抽出された.これらの結果から介護福祉職が仕事を継続する肯定的要因の概要が明らかになった.