著者
藤井 博志
出版者
神戸学院大学
雑誌
神戸学院総合リハビリテーション研究 (ISSN:1880781X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.65-77, 2007-03

本稿は、近年におけるわが国の新たなコミュニティケアサービスの動向を概観し、その特徴を明らかにする。また、それらの多くは制度的なケアサービスではなく、民間による自発的なサービスである場合が多い。その点に注目して、それらのケアサービスが自治体において、開発され、計画化される方法を提案する。その場合、自治体はもとより、それを推進する社会福祉機関として、社会福祉協議会が期待される。したがって、ここでは、これらの新たなコミュニティケアサービスを開発する社会福祉協議会の組織・機能にも言及している。また、これらのケアサービスを自治体において普及するためには、社会福祉計画による合意形成が必要である。とくに、わが国においてコミュニティケアを進める計画として地域福祉計画が注目される。最終的には、この地域福祉計画に新たなコミュニティケアサービスが位置づけられ、地域福祉資源整備の課題として、住民と行政の協働によるサービス開発を展望している。