著者
藤井 正満
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.5, pp.859-866, 2006-05-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
4

代謝性アルカローシスの成立には, 発生機構と腎が過剰なHCO3-を排泄できない維持機構が必要である. 維持機構には細胞外液 (ECF) 量低下, Cl欠乏, K欠乏, ミネラルコルチコイド作用亢進, 腎不全などがある. 診断・治療においてECF量の評価は重要で, 低下していれば食塩水の投与が有効 (Cl反応性), 低下していなければ無効 (Cl抵抗性) であり, その鑑別には尿中Cl濃度が役立つ.