著者
西林 清茂 藤原 紀夫
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, 1983-12-15

この稿では解析例として, 某地下鉄工事における有限要素解析, 大阪の地下鉄工事における被圧水圧の測定とその処置, 岐阜市十六銀行ビル基礎工事に関する電気アナログ法について述べている。まず有限要素解析においては, 地盤を5つのケースに分けて解析し, 得られた結果がボイリングを起こす限界になったので, 排水工法を実施している。次に大阪の地下鉄工事の場合には, 井戸が滞水層を貫通している場合の揚水量計算式を用い, その結果と照らし合わせてウェルポイントを打設して, 被圧水圧と排水量の経日変化図を示している。電気アナログ法に関しては, 筆者らがよく行う方法で, ここでは, 施工場所が大量の湧水が懸念されるために, 有効かつ経済的な止水壁長を計画する目的で行った解析と実際の工事結果について述べている。ここで, 解析値は実測値より若干小さめの値となっているが, よく一致している。また滞水層厚に関して, 電気アナログ法を使い二次元解析を行い, 流量と滞水層厚の関係を掘削幅, 掘削深さを考慮して, グラフに表している。