- 著者
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藤原 花 (鷲谷 花)
- 出版者
- 明治学院大学
- 雑誌
- 特別研究員奨励費
- 巻号頁・発行日
- 2008
今年度は主に関西方面のアーカイヴスでの資料調査を行い、京都文化資料館で、戦時期の南京親日政権の成立を題材とする「大東亜映画」の未映画化シナリオ(東宝、1943年頃)の所蔵を確認したほか、戦時期・占領期日本映画に関するいくつかの未公開資料を発掘した。資料調査の傍ら、青弓社より2012年に刊行予定の単著『戦争と《コスチュームプレイ》-《他者》を扮演する日本人-』(仮)の執筆準備を進めた。2011年2月12日にソウル・漢陽女子大学にて開催された韓国日本学会第82回学術大会にて口頭発表「日本戦争映画における「兵士の歌声」-『五人の斥候兵』から『ビルマの竪琴』まで-」。戦時期から戦後に至る日本の戦争映画における「合唱する日本兵」のイメージの反復について、戦時期から戦後にかけての国民歌運動との関連性を含めて論じた。また、2011年3月に米合衆国・ニューオーリンズで開催されたThe Society for Cinema and Media Studies 2011 Conferenceにて、パネル"Recycling the 'War Propaganda Apparatus' : Rethinking the (Dis-) Continuity of Wartime Film Genres in Japan"に参加、口頭発表"Soldiers in the Performing Arts' in Wartime and Postwar Japanese Cinema"。ここでは大戦期にルース・ベネディクトをはじめ米国戦時情報局調査等によって指摘された戦時期日本映画の「反戦的傾向」と、戦後日本の「反戦映画」との連続性を、日本の戦争映画に登場する兵士の「犠牲者としての英雄」像に注目しつつ論じた