著者
小平 寛岳 国分 貴徳 瀧谷 春奈 藤嶋 弾 平田 恵介 名字 名前 塙 大樹 小林 章 金村 尚彦
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.22-26, 2018 (Released:2018-04-03)
参考文献数
31

【目的】歩行速度の違いによる立脚初期の股関節伸展筋群活動の変化に着目し,歩行速度が股関節キネマティクスに及ぼす影響について検討した。【方法】整形外科疾患のない成人男性 7 名を対象とし三次元動作解析装置,床反力計付きトレッドミル,表面筋電図を用いて0.9 m/s 歩行と1.8 m/s 歩行を計測した。計測から得られた立脚初期(10% 歩行周期)の筋活動量(大殿筋,大腿二頭筋,半腱様筋),外的股関節屈曲モーメント,股関節屈曲角度,重複歩長を条件間で比較・検討した。【結果】 0.9 m/s 歩行と比較し 1.8 m/s 歩行で外的股関節屈曲モーメント,重複歩長,股関節屈曲角度,半腱様筋活動に有意な増加がみられた。一方で,大殿筋と大腿二頭筋には有意な変化はみられなかった。【結論】歩行速度の増加に対し,立脚初期では股関節屈曲角度,重複歩長の増加による対応が行われ,この対応には半腱様筋の筋活動量増加の関与が示唆された。