著者
藤川 直樹
出版者
神戸学院大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

大日本帝国憲法と皇室典範からなる明治期日本の所謂「典憲体制」はその成立においてもその解釈論の展開においても、ドイツ法(学)の強い影響を受けていた。このようなドイツ法の「継受」を分析するに際しては、近代ドイツ法(学)史それ自体の精確な理解が不可欠であることは言を俟たない。この研究は近代ドイツの王位継承法と王室法の制度と学知を明らかにし、明治皇室典範の制定過程および解釈学説に対するドイツ法学の影響を測定し、それを通じて近代日本の皇室制度におけるドイツ法(学)継受の実相と国制的諸条件を明らかにすることを目的とする、王位継承の日独比較国制史の試みである。