著者
藤本 元啓
出版者
崇城大学
雑誌
崇城大学紀要 = Bulletin of Sojo University (ISSN:21857903)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.37-55, 2021

崇城大学では、2019年度から初年次教育「SOJO基礎」を起点として理工系専門教育とを連動し、大学と産業界とを接続する学修プログラム「SOJOプロジェクト教育」を開始した。初年次生では専門的知識を必要としないアイデア解決型のPBL型学修を反復し、2年次以降に学科や企業等の提供による理工学・実社会の現実的な問題に取り組み、学年に応じた専門基礎的なアイデアをもって解決を目指す。学部でのこの教育が修士課程の長期のコーオプ教育につながり、さらには博士課程の産学連携を生み出す土壌となる。これは従来の伝統的な大学教育(教える)からの脱却を目指す教育プログラムのひとつで、本学が目指す「学生の自主的、創造的な学修姿勢」を培う新しい教育体系である。この組織的な取り組みにより、学生が主体的学修へと転換し、知識・技能を実際に活用して徐々に高品質の成果物をつくる契機となることに期待している。また協力企業からは「知識修得だけではなくチーム活動に焦点を当てたカリキュラムの重要性」「企業と大学の協力は不可欠」「国際競争力向上のためには学生の人材育成は必要」など、大方の賛同を得ている。