著者
藤村 真弓
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.2, pp.117-122, 2001-02
被引用文献数
1

この報告の目的は、長期に入院を余儀なくされた児の同胞に対するサポートのあり方を模索して、具体的な方法論を確立する手がかりを見いだすことである。他県より病気治療の為に東京の総合病院に入院してきた児の2歳になる妹に対して、1年間にわたる保育サポーターとの関わりをその記録から分析した。兄の病気が「骨肉腫」と言う重いものであり、都内に親戚がまったく無いことから母しか兄妹の世話をすることが出来なかった。その為、兄の看病と妹の世話を両立することが困難な状況であった。そこで看護者の介入により、民間の保育サポーターを導入して母が兄の看病に専念できる体制を整えた。と同時に妹が、母の不在の時間を出来るだけ楽しく有意義に過ごし、本人の成長発達にプラスになる方向でのサポートを行った。妹と保育サポーターの1年間の関わりとその記録の分析から、長期入院児の同胞が少しでも健全に過ごす事が出来る様、今後は彼らの援助に役立つ質的研究の必要性が示唆された。