著者
宇根 桐子 今井 昭一
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.2, pp.51-57, 2001-02
被引用文献数
2 1

本学1年次の学生85名(男13人、女72人)に、二重盲検法の原理に従って、市販のカフェイン抜きコーヒー(ネスカフェーゴールドブレンド、ネッスル社) とカフェイン入りコーヒー(上のカフェイン抜きコーヒーに日本薬局方カフェイン[丸石製薬] 250mgを添加) を飲用させ、単純な計算能力および心拍数に対するカフェインの作用について検討した。計算能力の検査には、内田・クレッペリンの標準型検査用紙(日本精神技術研究所) を用い、練習効果による計算能力の向上がほぼ一段落する時点でコーヒーを飲用させた。その結果、飲用後20分近く経過した時点で、カフェイン入りコーヒー飲用群の計算能力はカフェイン抜きコーヒー飲用群のそれを有意に上回ること、この効果は、飲用後1時間を過ぎ、カフェイン抜きコーヒー飲用群では計算能力の低下が見られるようになった時点でもなお認められ、カフェインには単純な計算能力を向上させる作用と疲労による能力の低下を抑制する作用とがあることがわかった。計算の誤謬率もカフェイン入り飲用群でやや低い傾向を示したが、有意の差ではなかった。心拍数はカフェイン入りコーヒー飲用群で低下した。
著者
與那嶺 敦 Willcox D.Crag
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.33-39, 2005-03

本研究の目的は、本学の学生が英語に対してどのような意識をもっているか等を調査することにより、より効果的な「動機付け」への手がかりとし、今後の本学における英語教育を改善していくための基礎的資料とすることであった。平成16年度の看護学部看護学科1年次入学生80名を対象に、1年前期「英会話I」の第1回講義時間を利用して28項目からなるアンケート調査への記入を依頼した。本調査から、平成16年度の本学の新入生には全体として次のような特徴がみられる。英語自体については、「好きで興味はあるものの苦手意識をもっている」「受容的側面(Reading、Listening)に比べて行動的側面(Writing、Speaking)に苦手意識がある」「入学時点の英語力は、センター試験を受験した全国の大学新入生の平均レベルに達している」などである。英語の講義については、「学習意欲を十分もっており講義を楽しみにしている」「大部分の学生が英語の運用能力、特に会話力を伸ばすことを重視している」「楽に単位をとりたがっている」「講義時間の中では映画や音楽などを利用したエンターテイメント性が期待されている」などである。これらの結果から、新入生が概して大学英語に取り組む意欲や能力を備えていることをふまえ、今後は講義の中で行動的側面をより丁寧に指導して自信をつけさせるとともに、視聴覚教材を効果的に利用しながら講義をより活性化していきたい。
著者
當山 冨士子
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.48-54, 2007-03

"沖縄戦"は、戦史上にも稀な凄絶悲惨な攻防戦だと言われている。このような戦禍の中に、沖縄県下の師範学校女子部および高等女学校生が看護学徒隊として動員させられた。今回は、悲惨をきわめた女子学徒隊が行った看護とはどのようなものであったのか。また、それらに絡む精神保健の問題ついて既存の文献から分析を行ったので紹介したい。1 沖純戦へ動員させられた女子学徒は、県下の師範学校と高等女学校の全9校の生徒である。その中で、最も動員の多かったのが「ひめゆり学徒隊」で、戦死者も動員された学徒の過半数を占めていた。死亡した地域は、激戦地だったといわれている沖縄本島南部での死亡が目立った。2 本格的な看護教育が実施されたのは、昭和45年の年はじめからであり、3ヶ月足らずの短期養成であった。指導には、主に軍医が当たっているが、中には看護婦が指導した学徒隊もあった。3 学徒隊が配属された病院の殆どは自然の洞窟や壕あるいは墓であり、その環境はすこぶる悪い。そのような中での学徒たちが実施した看護は、(1)水くみ、飯上げ、食事の世話、排泄の世話及び処理、包帯やガーゼ交換・消毒、蛆とり、手術の介助や四肢切断後の処理、死体の片付けと埋葬。(2)破傷風・火傷・ガス壊疽・マラリア・腸チフス・脳症等の患者の看護。(3)皮下注射の実施。(4)離島においては食料の調達や薬草作りであった。4 学徒たちの精神保健については、動員当初は「お国のために…」との気負いで配置先へ向かっているが、戦況が進むにつれ、環境の劣悪さや極度の疲労等々から感情の麻痺や放心状態、そして終いには死へ追いつめられる状況となっていた。そのような中でも、「せめて太陽の下で、水を-杯飲んで死にたい」というかすかな"生,,への欲求も見られた。5 戦後60年が経過し、元学徒たちが「戦争は二度とあってはならない」と、沖繩戦の語り部となって活躍している反面、一部には未だに"目して語らない"元学徒がいる。
著者
宇良 俊二 當山 冨士子 田場 真由美
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.13, pp.31-38, 2012-03

【目的】沖縄県内の断酒会に参加しているアルコール依存症者の自殺に関する特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】平成21年8~9月に、沖縄県内の断酒会に参加しているアルコール依存症者128名を対象として、無記名自記式質問紙調査を行い、自殺に関する意識および態度について質問した。【結果】101名から回答が得られ(回収率78.9%)、回答不備を除き、有効回答97名(有効回答率75.8%) を分析対象とした。男性85名(87.6%)、女性12名(12.4%)、平均年齢52.0歳(標準偏差11.2歳)であった。過去に自殺念慮があった者は58名(59.8%)、自殺未遂の経験者は、31名(32.0%)と、どちらとも全国調査と比べ高い割合であった。さらに男性において、自殺未遂経験と関連のみられた項目は、「年齢」「10代からの飲酒」「アルコール依存症と診断された年齢」「断酒会への出席状況」であり、その他の「婚姻状況」「同居者の有無」「断酒期間」「再飲酒の有無」では統計学的に有意差はみられなかった。【結論】男性で自殺未遂経験のある者は、自殺未遂経験のない者と比較して、平均年齢が有意に若く、10代からの飲酒があり、アルコール依存症と診断された年齢が若く、断酒会への出席が不規則であった。沖縄県内の断酒会に参加しているアルコール依存症者では自殺念慮および自殺未遂の経験は全国調査より高い割合であった。【Objective】The purpose of this study is to reveal certain characteristics of alcohol-dependent patients who attend alcoholic self-help groups in Okinawa in relation to their suicidal tendency. 【Subjects & Method】In August and September 2009, anonymous questionnaires were given to 128 alcohol-dependent patients who were attending alcoholic self-help groups in Okinawa. The questionnaires inquired as to their thoughts and attitudes towards suicide. 【Results】In the course of the study, 101 questionnaires were collected (78.9% of collection rate). After invalid responses were removed, 97 valid responses were used for this analysis (response rate of 75.8%). Of the subjects, 85 (87.6%) were male, and 12 (12.4%) were female. The average age of each subject was 52 (standard deviation of 11.2 years). In this study, 58 subjects (59.8%) had suicidal thoughts, and 31 subjects (32.0%) had actually attempted suicide. There was a correlation between male subjects' experiences in suicide attempts and their responses to the following matters: their age, whether or not they started to drink in their teen years, their age when they were initially diagnosed as alcoholics, and their attendance record at self-help groups. No statistical significance was observed in male subject's responses to the following matters: their marital status, whether or not they are living with anyone, how long they are abstaining from alcohol, and whether or not they started to consume alcohol again. 【Conclusion】The male subjects who had attempted suicide were; young, started to drink in their teens, diagnosed as alcoholics at a young age, and only sporadically attended self-help group sessions. Comparing our survey results to the nation-wide survey results, alcohol-dependent patients who attend alcoholic selfhelp groups in Okinawa had higher rates of experiencing suicidal thoughts and attempts.
著者
石川 りみ子 小林 臻
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-9, 2005-03

研究目的:当大学の過去2年間の保健室での利用状況をみてみると、頭痛・腹痛・体調不良など内科的な主訴で保健室を訪れる学生は少なくなく、これらの不定愁訴は食習慣のみでなく睡眠を含めた生活習慣との関連も否定できない。将来、保健医療の立場から健康教育に携わるであろう看護大学生が、既習した専門知識を自己の生活行動にどう反映しているかを把握することは、専門知識を持つ看護大学生への健康教育を行う上で重要である。そこで、本研究は健康知識を習得した学生の生活行動を睡眠と食生活の視点から実態を調査し、適切な健康教育を行うための示唆を得ることを目的とする。研究方法:対象者は、本学の4年次の女子学生で特別の場合を除く過去一ヶ月間の睡眠状態と食習慣について、質問紙への自己記入法によるアンケート調査を行った。対照群は先行研究での調査対象者であった県内の看護学校(全日制)2校の3年次女子である。調査内容は、年齢、BMI(Body Mass Index)、睡眠習慣と食習慣に関する項目である。結果及び結論:1)看護大学生の睡眠習慣を看護学生と比較すると、平目は有意に看護大学生は就寝・起床時刻が遅く、「朝目覚めたとき気分が悪い」、「昼間我慢できない程眠い」と回答した学生の比率が高かったことから、就寝の習慣を早めに改善する必要性が示唆された。2)家族と同居している看護大学生は、一人暮らしと比較して睡眠量が有意に少なかったことから、十分な睡眠量の確保の指導的関わりの必要性が示唆された。3)食習慣について、看護大学生は看護学生と比較して有意に各食事とも欠食の傾向を示し、食事のとり方の改善の必要性が示唆された。4)朝食については、一人暮らし群が有意に欠食する学生の比率が高く、夜食をとる傾向があり、朝食の欠食は夜食との関連が示唆された。5) BMI分類による食習慣の傾向については、やや肥満以上群に昼食の欠食の傾向がみられ、食品の摂り方についての工夫の必要性が示唆された。
著者
相原 優子 神里 みどり 謝花 小百合
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-16, 2012-03

【目的】: がん看護実践で活用可能な補完代替療法(Complementary and Alternative Medicine, 以下CAMとする)を選出し、それらの効果と安全性のエビデンスについて、文献を用いて検討する。【方法】: アロマセラピー/マッサージ、音楽/音楽療法、アートセラピー、呼吸法/リラクセーション法、タッピングタッチの5 つについて、がん領域のCAMのガイドライン、Cochrane Database Systematic Review、米国がん看護学会のシステマティックレビュー、および医学中央雑誌・CINAHL・MEDLINEにより検索された過去5 年間の研究論文を用いて、効果と安全性に関する記述レビューを行った。【結果】: ガイドラインでは、どのCAMも実践に強く推奨されるには至っていなかったが、小規模な研究や質的研究では、痛みや倦怠感などの症状の改善や、不安の軽減やコミュニケーションの促進などの心理社会的効果が報告されていた。また、安全性について、アロマセラピー/マッサージと音楽/音楽療法は、ガイドラインに実施時の注意点が示されており、音楽/音楽療法、アートセラピー、呼吸法/リラクセーション法は、患者の好みへの配慮や実施者に訓練が必要であることが指摘されていた。【結論】: 今回選出した5 種類のCAMは、有用な看護介入となる可能性が高く、簡便な方法を考案し、注意点を守り、患者の反応を見ながら実施することで、安全も保証できると考えられた。Purpose: This paper describes a literature review conducted effect and safety of selective Complementary and Alternative Medicine (CAM) for easy to use at the oncology nursing practice. Methods: ICHUSHI (Japanese database), MEDLINE, and CINAHL were searched from January 1, 2005 to April 7, 2010 using selected CAM terms which were aromatherapy/massage, music/music therapy, art therapy, breathing/relaxation and tapping touch. And guideline of CAM, Cochrane Database Systematic Review, and systematic review from Oncology Nursing Society were used to consider their effect and safety, too. Results: The selective CAM was not recommended into practice strongly in guidelines. However, it was showed to effect of reducing patient's symptoms such as pain or fatigue and psychosocial effect such as reducing anxiety or promoting communication in small sample studies or qualitative studies. Guidelines included of caution for use aromatherapy/massage and music therapy. And it indicated that music/music therapy, art therapy, and breathing/relaxation need to be select by patient's preference or using by trained therapists. Conclusion: These selective CAM can be useful and keep patient's safety at the oncology nursing practice, if we follows safety methods and skilled in practice settings.
著者
伊波 香 今井 昭一
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.4, pp.118-124, 2003-03

昨年度の本誌に、scrape-loadingによって蛍光色素を細胞内に取り込ませ、周囲細胞への移行の様子で、gap-junctionを介する細胞間の情報交換について検討するEl-Foulyらの手法について紹介すると共に、この方法を用い、腎上皮由来の細胞と言われるNRK-52E細胞で得られた結果の幾つかについて報告したが、今回は、1つの細胞に、直接選択的に、蛍光色素を注入する事のできる微量注入装置を用いて、蛍光色素を直接細胞内に注入する方法で行った実験の結果について報告する。細胞は、昨年同様、NRK-52E細胞であり、細胞間情報交換の指標とした蛍光色素も同じくlucifer yellow(LY)である。色素が注入された細胞を明らかにする為、LYと共にethidium bromide(EB)を細胞内に注入した。微量注入装置の自動注入機能を利用し、保持圧を150 ヘクトパスカル、注入圧を800-1100ヘクトパスカル、注入時間を0.8秒に設定して注入を行った。その結果、NRK-52E細胞群では、1つの細胞に注入された色素は、ほぼ均等に周囲の細胞に拡がること、10-15分で、色素の拡がりはピークに達する事、代表的な腫瘍プロモーターであるTPA(12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate)(10-100 ng/ml)、10-20分処置によって、色素の拡がりが完全に抑制されることがわかった。Intercellular communication through gap junction was studied in NKR-52E cells in culture using the transfer of a fluorescent dye, lucifer yellow, as a measure. Instead of a scrape loading method used in our previous work(Une K. and Imai S.), a direct microinjection method was used. The dye was injected with a microinjector(Eppendorf FemtoJet) via a glass capillary (Eppendorf Femtotips) impaled into the cell. The microinjector was operated with a micromanipulator(Eppendorf 5171). Another dye, ethidium bromide, was injected together with LY to identify the cell into which the dye was injected. Fluorescence of the dyes was monitored with an inverted fluorescent microscope (Leitz DMIRB). Contrary to our previous findings obtained with a scrape-loading method, cell-cell communication was found to be inhibited completely by a representative tumor promotor, TPA(12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate).
著者
當山 冨士子 戸田 圓二郎 田場 真由美
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.79-85, 2003-03

筆者は、へき地山村に居住する独居高齢者の生活について、参与観察と電話により把握し、その"生活の術"について検討を行った。その結果、以下のことが確認出来た。なお、ここで言う"生活の術"とは、生活の方法や手段という意味で使用した。1)今回の対象において、精神的扶養は成人子である子供からの扶養をはじめ、対象者本人による積極的な友人の獲得、ペット、亡き夫や先祖、近くの神々への関心により扶養されていることが推察された。2)経済的扶養については、公的年金を主にしており、その他、親族が郵便という流通を活用、対象者本人も公的・私的に郵便配達人を活用していた。3) 身体的扶養については、対象者自身が日常の生活を維持できる能力を持ち合わせていた。しかし、天候の悪化時には公的な支えが必要であることが確認出来た。The authors came to grasp the life of elderly people living alone in remote mountain village by the participant observation, the telephone, and so on, and they examined it as "The art of the life". As for "The art of the life", it was used in the sense of the method and means of life. 1)As for the mental support, an applicable person herself actively got a friend, the support from her adult child, made a telephone call and kept herself a pet. She was also found to be interested in a deceased husband, ancestors and surrounding gods. 2)As for the economical support, she made a living mainly by a pension. And her relatives sent foods and goods by mail service. She also made extensive use of the mail service. 3) As for the physical support, she had the ability to maintain her own daily life. But, at the time when the weather was not favorable ,it was confirmed that the public support was necessary.
著者
清水 かおり 神里 みどり
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 = Journal of Okinawa Prefectural College of Nursing (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.12, pp.55-64, 2011-03

【背景】離島で勤務する看護職は地理的特徴から継続教育の機会が得られにくく、知識・情報入手手段も限られている。これらは、人材確保の難しさや、早期離職の一因になっていることが予測される。そのため、へき地・離島で働く看護職が学習や相談を受けられるようなサポートをはじめとする支援体制をつくる必要がある。【目的】本研究の目的は、ICTを活用して離島で勤務する看護職者間のコミュニケーションの輪(ネットワーク)を作ること、離島診療所看護師が抱える問題を抽出しサポート体制について検討することである。【方法】研究参加の同意が得られた沖縄県内の離島診療所看護師を対象とし、半構成的面接法による個人インタビュー、ビデオカンファレンスの会議内容、ICTでのチャットからデータを得た。ICT環境として音声はskypeの会議通話、画像は沖縄県立看護大学の遠隔講義システム(FCS)を用いた。【結果】3名の離島診療所看護師が本研究に参加した。5回のビデオカンファレンスと2回の公開講座を発信した。ビデオカンファレンスの主な内容は自己紹介と各島の現況、看護実践上の振り返り、慢性疾患予備軍への働きかけ、保健師との取り組み報告、島の伝統行事と診療所看護師の関わり、死亡者・感染症患者の搬送方法、危機管理体制等であった。ビデオカンファレンス実施後は「他の島との情報交換が出来る」、「自分の島だけではないのだという安堵感」、「ビデオカンファレンスの便利さを感じる」、「繋がっている感じがする」、「孤立感が軽減した」、「モチベーションが上がる」、「愚痴ることができストレスが解消される」等の意見が聞かれた。また、ICT環境設定後、診療所看護師間でのSkypeによるチャット、電話での交流、島の行き来が行われるようになった。【考察】今回、市販のWebカメラ、FCSとSkypeという簡便なツールを用いて双方向のネットワークを確立することができ、参加者は他の離島看護師とのコミュニケーションの機会を得た。初めは大学側が中心となった交流であったが、自らVC以外での交流を持つようになった。それらを通して、離島の看護師間の交流が生まれ、相互作用が働いたと考える。|BACKGROUND: The nurses in the remote island are difficult to obtain continuing education and new information of nursing knowledge and limited communication with outside islands. These are cause of early resignation for nurses. Therefore, the making of the support system such as providing continuing education or consultation is necessary and indispensable. PURPOSE: To make the network system using Information Communication Technology (ICT) to support for remote area nurses. METHODS: The nurses, who want to join the support system with ICT, in remote island's clinic were recruited with snowball methods from the health care providers. We provide several videoconference with ICT to have meeting and chat for these nurses. Data were obtained by Semi-structured interviews, conversation of videoconference activities and chat from ICT. RESULTS: Three clinical nurses from different islands participated videoconference and individual interviews. Before we had videoconferences, they had problems; " a lack of relationships with other health care providers", "no Information", "isolation", "unable to attend professional meetings", "stress on interpersonal relationship with a medical doctors". We had 5 videoconferences and provided two open lectures for these nurses. The main contents of videoconferences were case conferences, review of nursing practices, island people's health problems and nursing intervention on traditional event. After the videoconferences, nurses have been reporting their positive interaction such as " feeling connecting with outside health care providers", " exchanging nursing knowledge" "using of ICT", "feel less isolated", "increasing of their own motivation", "refreshing themselves". After the videoconferences, these nurses have been making connections themselves by the telephone, skype chat, and meeting directly. CONCLUSIONS: Providing videoconferences and open lectures were a very supportive way to connect with remote island nurses.
著者
藤村 真弓
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.2, pp.117-122, 2001-02
被引用文献数
1

この報告の目的は、長期に入院を余儀なくされた児の同胞に対するサポートのあり方を模索して、具体的な方法論を確立する手がかりを見いだすことである。他県より病気治療の為に東京の総合病院に入院してきた児の2歳になる妹に対して、1年間にわたる保育サポーターとの関わりをその記録から分析した。兄の病気が「骨肉腫」と言う重いものであり、都内に親戚がまったく無いことから母しか兄妹の世話をすることが出来なかった。その為、兄の看病と妹の世話を両立することが困難な状況であった。そこで看護者の介入により、民間の保育サポーターを導入して母が兄の看病に専念できる体制を整えた。と同時に妹が、母の不在の時間を出来るだけ楽しく有意義に過ごし、本人の成長発達にプラスになる方向でのサポートを行った。妹と保育サポーターの1年間の関わりとその記録の分析から、長期入院児の同胞が少しでも健全に過ごす事が出来る様、今後は彼らの援助に役立つ質的研究の必要性が示唆された。
著者
賀数 いづみ 加藤 尚美 金城 忠雄
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.48-56, 2003-03
被引用文献数
1

本研究は、低体重児の出生要因を明らかにし、助産師としてどのような支援ができるか検討することを目的とした。調査対象は1998年1月から2000年3月に沖縄県のNICUをもつA病院で出生した児912例中の低体重児211例である。A病院での低体重児出生は、28.9%を占めていた。調査内容は、妊娠中の記録、分娩記録から、既往産科歴、分娩時の母子の状況等である。結果、早産による低体重児が76.8%であった。早産児は出産時においても児のアプガースコアも低いなどリスクが大きいといえよう。早産の原因は、前期破水によるものが多くあるが、その原因は明らかではない。また、分娩が開始した状態での母体搬送が73.1%であり、早産防止のための異常の早期発見、予防が重要である。助産師は特に妊産婦のケアーの専門家として、あらゆる施設に保健指導要員として常置し妊婦に対して、原因となる要因が回避できるような保健指導をしていきたい。This research found out of low birth weight (LBW) infants 'birth factor, and aimed at examining what kinds of supports can be performed as a midwife. The subjects of this study were 211 low birth weight infants out of 912 new born babies in A hospital which have the NICU of from January, 1998 to March, 2000. The % of LBW was 28.9%. The contents of this investigation the situations of the previous obstetrics history such as pregnancy record, labor & delivery record. A result of a premature delivery depending on LBW infants was 76.8% .Moreover, the low birth weight's Apgar score was also low. The cause of the LBW is not clear although a cause has many factors depended on premature rupture of membranes. Furthermore, maternal transfer in the state where the delivery began is 73.1%, and the early detection of the premature delivery is important to prevention. Especially a midwife wants to carry out the health care consultant in every institution risk factors of LBW as a health professional. Every pregnant woman can receive a health services.
著者
山口 初代 大湾 明美 佐久川 政吉 田場 由紀 榮口 咲 大川 嶺子 糸数 仁美 坂東 瑠美 前泊 博美 Yamaguchi Hatsuyo Ohwan Akemi Sakugawa Masayoshi Taba Yuki Eiguchi Saki Okawa Mineko Itokazu Hitomi Bando Rumi Maedomari Hiromi 沖縄県立看護大学 いけま福祉支援センター
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.15, pp.43-51, 2014-03

[目的]男性高齢者の新たな介護予防の支援方法を見出すために、A島の民泊事業に参加している男性高齢者の当事者の誇りから"生きがい就労"の実態とニーズを把握することである。[方法]研究協力者は、A島の民泊事業に参加している男性高齢者4名である。方法は、民泊事業の就労内容と就労のニーズの語りから、キーセンテンスを抽出し、辻らの生きがい就労のコンセプトである[働きたいときに無理なく楽しく働ける]、[現役時代に培ってきた能力・経験が活かせる]、 [高齢者の就労が地域の課題解決の貢献につながる]に照らして帰納的に分析した。[結果]生きがい就労の実態は、辻らの生きがい就労のコンセプト[働きたいときに無理なく楽しく働ける]、 [現役時代に培ってきた能力・経験が活かせる]、[高齢者の就労が地域の課題解決の貢献につながる]を包含し、[共生の理解に貢献する]の新たなコンセプトが導かれた。生きがい就労のニーズは、民泊事業を《島の産業として組織的に取り組みたい》、《食事サービスの質を向上させたい》、《老い(身体機能)に合わせて民泊がしたい》であった。[結論]A島の民泊事業は、男性高齢者の生きがい就労につながっていた。生きがい就労のコンセプトに[共生の理解に貢献する]が加わっていた。男性高齢者は、地域の課題解決の主役としての役割が発揮できる存在であることを示唆していた。介護予防のために生きがい就労を推進するという新たな介護予防の支援方法が必要であると考えた。
著者
當山 冨士子 高原 美鈴 大城 真理子 田場 真由美 蟻塚 亮二 仲本 晴男 大宜見 恵 Toyama Fujiko Takahara Misuzu Oshiro Mariko Taba Mayumi Arizuka Ryouji Nakamoto Haruo Ogimi Megumi 沖縄県立看護大学 琉球大学保健学研究科 沖縄共同病院 沖縄県立総合精神保健福祉センター 今帰仁村役場 Okinawa Prefectural College of Nursing University of the Ryukyus Graduate School Okinawa Kyoudou Hospital Okinawa Prefectural General Mental Health Center Nakijin Town Office
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-12, 2013-03

【目的】戦闘が行われた沖縄本島とその周辺離島村を含む町村に在住する沖縄戦体験者の精神保健、特に戦争トラウマの現状について把握する。【方法】〈研究デザイン〉量的研究。〈調査期間〉平成24年4月~同年7月。〈対象〉戦闘が行われた沖縄本島の4町村(南部1、中部1、北部2)および沖縄本島周辺離島の2村(南部1、北部1)を含む6町村在住者で、当該町村の介護予防事業に参加していた沖縄戦体験者で、75歳以上の者。〈調査に使用した尺度および質問紙〉1)WHO-5(World Health Organization Mental Health Well Being Index-five items:精神的健康状態表)。2) IES-R(Impact of Event Scale-Revised)改訂 出来事インパクト尺度日本語版によるトラウマの程度を測定。3)沖縄戦に関する質問紙を使用した。【結果】収集したデータ303のうちIES-Rに欠損値がない257を解析対象とした。性別では女218(84.8%)、男39(15.2%)で、平均年齢は82.5歳。WHO-5の平均得点は21.6(±4.2)。IES-Rの平均得点は23.2(±16.1)で、PTSDハイリスク者とされる25点以上が106(41.2%)あった。「沖縄戦を思い出すきっかけ」では、「戦争に関する映像・新聞記事」が208(80.9%)であった。IES-R得点と関連があったのは、「戦争を思い出す頻度」「誰かが危険な目に遭うのを目撃した」「当時の年齢で14歳以上と14歳未満」であった。【結論】今回の対象は、PTSDハイリスク者が4割いたにも関わらず、精神的健康状態は良好であった。その理由として、沖縄戦体験者はレジリエンスがあり、沖縄には"ユイ"という相互扶助の精神があり、地域の共同体との繋がりがあったからだと推察される。また、PTSDハイリスク者が4割もいたことから、沖縄戦体験高齢者の介護や看護を行う際には、沖縄戦によるトラウマやPTSDを意識し関わることが必要だと考える。
著者
玉城 清子 上田 礼子
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.9-15, 2007-03
被引用文献数
1

[背景]全国的に高校生の性交経験率の上昇に伴い若年者の妊娠中絶率は上昇傾向にある。沖縄県の若者は他府県の若年者に比べ人工妊娠中絶より出産を選択する者が多く、若年母親からの出生割合が高い状態が持続し、母子保健上の課題となっている。Fieldらは、若年母親は育児への関心が低く、また、Braussardらは母親が子どもをnegativeに知覚すると子どもの心身発達に悪影響があると報告している。しかし、わが国では若年母親の新生児に対する知覚と育児行動に関する研究報告は少ない。【目的】若年母親の新生児に対する知覚と育児行動との関連を明らかにする。[研究方法]本研究は妊娠確定時20歳未満の妊産婦を対象とする縦断的研究の一部で、若年母親の新生児に対する知覚と育児行動に焦点を当てている。新生児に対する知覚は修正版NPIを用い分娩後入院中と1か月後に調査を行った。また、産後1か月目には属性や育児用品の準備状況、育児行動についても質問紙を用いて調査した。[結果]調査票の回収は、分娩後の入院期間中45人、産後1か月時点38人であった。修正版NPIには分娩後と分娩1か月後の2回のデータが必要であるため、2回の調査票が揃っている30人を分析対象とした。平均年齢は対象者18.8歳(SD±0.94)、パートナー22.3歳(士4.43)であった。家族形態は核家族46.7%で、他は何らかの形で実家に同居していた。育児の大部分は若年母親が行っていた。若年母親の33%は自分の赤ちゃんを普通の赤ちゃんより低く、つまりnegativeに知覚していた。「授乳」「沐浴」「衣服の世話」の育児行動の実施率と母親の子どもに対する知覚との関係を検討した結果、自分の赤ちゃんをnegativeに知覚している者は「衣服の世話」の実施率が有意に低かった。[結論]若年母親の育児の実施率は高く、先行研究の若年母親は育児への関心が低いとは一致しなかった。「授乳」や「沐浴」の実施率は修正版NPI得点のnegative群とpositive群間に有意差は認められなかった。しかし、「衣服の世話」に関しては自分の子どもをnegativeに知覚している母親の方が実施率は低かった。これは、排泄などによる衣服の汚れに関して赤ちゃんのサインへの反応の少なさを意味しているとも考えられる。[Background]Teenage pregnancy rate has increased recently in Japan, especially in Okinawa Prefecture. Teen-age mothers show less desirable to child-rearing attitude than older mothers in the US. Braussard and Hartner found that when infants were rated by mothers as "not better than average" at the end of neonatal period, they were classified as a high risk. There has been little study about teen age mothers' child-rearing attitudes in Japan. Little is known about teen-age mothers' perception to their infants. [Purpose] The purpose of this study was to identify the relation between young mothers perception to their infants and their child- rearing attitude. [Method]This research is a part of longitudinal study focus on the relationship between younger mothers and their children. Thirty young mothers completed the 6 item Modified Neonatal Perception Inventory during the hospital stay following parturition at the seven obstetrics facilities in Okinawa, and again at 1 month post partum.. Also demographic factors and child rearing attitude of young mothers was surveyed at 1 month of postpartum. [Result]The majority of teenage couples or mothers live with their parents. Expensive child-rearing goods (i.e. baby bed) was bought by their parents, and relatively cheaper goods were prepared by themselves. Child rearing activities like nursing, bathing, dressing were surveyed, and the majority part of those activities were done by adolescent mothers. Mothers' perception to their infants as not better than average (negative perception), which was considered to be at risk, was 33% of mothers. There was no significant difference between negative perception and positive perception on nursing and bathing except dressing for their infants.[Conclusion]With the support of husbands and their own mothers, the majority part of child-rearing activities were practiced by teenage mothers.