著者
藤森 隆郎
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.435-441, 1977-12-25 (Released:2008-12-18)
参考文献数
20

米国カリフォルニア州北部の太平洋沿岸のセソペルセコイア(Sequoiasempervirens)の成熱した天然林を調査し,幹の現存量と林分構造を解析したoその構造は複層をなし,センペルセコイアがすべてめ階層で優占していた。他の木本種は常緑広葉樹が主で,中層の下部と下層に出現した。上層木の平均樹高は87.6mで,幹の総材積と乾重:量はそれぞれ1e, 817m3/haと3,461ton/haであった。地上1.7mにおける幹の断面積合計は338m2/ha,幹の現存量密度.(林分の幹の乾重/上溜木の平均樹高と林分面積の積)は3.95kg/m3であった。上記の成熟林のそばにある47年生のセソペルセコイアの2次林を測定し,その上層木の平均樹高ほ45.8m,地上1.3mの幹の断面積合計は152m2/haという値を得た。
著者
金沢 洋一 清野 嘉之 藤森 隆郎 加茂 皓一
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.167-173, 1984-05-25

苗畑で育てたケヤキ9年生林分を用い, ほぼ月1回の調査によってその地上部現存量の季節変化を追跡した。葉量は5月下旬に一度ピークに達したのちやや減少し, 8月下旬に再び増加した。二度目の増加は土用芽によるものと考えられる。葉面積は5月下旬の最大葉面積指数7.7をピークにあとは連続的に減少し, 8月に再びふえることはなかった。各時期別地上部全増加量は4〜5月を最大に7〜8月に一時増加したものの, しだいに減少の傾向をたどり, 9月以降マイナスとなった。同化産物の葉への分配がみられた時期は4〜5月, 6〜9月だったが, 5〜6月には認められなかった。地上部非同化器官への分配は5〜6月に最大となったのち減少し, 10月以降マイナスになった。年間純生産量について, 生育期間中の乾物の増加量から求めた値と生育終了後の樹幹解析によって求めた値は, 根を含めて100m^2あたりそれぞれ140kgと155kgになった。