著者
藤沢 伸介
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学紀要 (ISSN:03899543)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.A69-A76, 2001-03-15

大学生の学力低下が話題になっているが, きちんとしたデータの裏付けなしに語られることが多い。筆者は, たまたま15年間継続して大学生に計算問題を課してきていたので, 学力変化のひとつの資料としてその正答状況を提示するのが, 本稿の目的である。行ったのは四則演算を1度ずつ含む学力偏差値の計算問題である。結果は, 1979年度生まれ以降の学生が, 有意に正答率が落ちていた。学力低下の原因としては, 制度, 教育者の行動変化, 学習者の行動変化, 時代の変化など様々な要因が考えられるが, 本調査で見られた急激な変化は, 制度的要因が最も大きいことを示唆しているようにみえる。