著者
石井 源 北見 明彦 神尾 義人 佐藤 庸子 高瀬 博康 澁谷 泰弘 栗生 和幸 松田 正典 鹿間 裕介 笠原 慶太 中島 宏昭 藤澤 英文 門倉 光隆
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.420-421, 2005

74歳女性. 約半年続く咳嗽, および右上肺野の異常影の精査, 加療目的に平成17年1月当院紹介. 同年2月, 発熱, 呼吸困難のため緊急入院となった. 外来で行った気管支鏡検査では右上葉枝の閉鎖が確認され, 入院後のCTでは右上葉の肺化膿症が疑われた. 抗生剤治療を行ったが, 炎症所見の改善が得られず, CTガイド下に前胸壁から膿瘍ドレナージチューブ(ピッグテールカテーテル)を挿入. その後炎症所見は改善したが, 膿性の排液は持続した. 3月15日に診査胸腔鏡を行ったところ, 右上葉の低形成に伴う肺膿瘍と診断し, 膿瘍ドレナージ(バルーンカテーテル)を継続した. 初回ドレナージ後48日目に膿瘍皮膚痩は閉鎖した. 閉鎖後, 微熱, 咳嗽, 喀痰が出現し, 胸部Xp, CTで膿瘍腔の拡大を認めたため, 再度ドレナージチューブを挿入した. 炎症所見が改善したところで, 5月9日に開窓術を施行した. 術後の経過は良好である. 肺化膿症を合併した気管支閉鎖症は稀であるため報告する.