著者
黒田 佑介 堀内 一哉 笠原 慶太 酒井 翔吾 諸星 晴菜 蘒原 洋輔 藤崎 恭子 石井 源 松倉 聡 門倉 光隆
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.508-513, 2018-10-20 (Released:2018-03-13)
参考文献数
20

われわれは細菌性肺炎を契機とした慢性閉塞性肺疾患(Chronic obstructive pulmonary disease:COPD)増悪期の患者に対するステロイド治療について後方視的に検討した.当院で入院加療を行ったCOPD増悪患者についてステロイド投与群と非投与群を比較検討した.結果は入院期間がステロイド投与群で短い結果であり,感染症の再燃や高血糖などの副作用に差を認めなかった.細菌性肺炎を契機としたCOPD増悪期に対しても全身性ステロイドの投与が有効である可能性が示唆された.
著者
石井 源 北見 明彦 神尾 義人 佐藤 庸子 高瀬 博康 澁谷 泰弘 栗生 和幸 松田 正典 鹿間 裕介 笠原 慶太 中島 宏昭 藤澤 英文 門倉 光隆
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.420-421, 2005

74歳女性. 約半年続く咳嗽, および右上肺野の異常影の精査, 加療目的に平成17年1月当院紹介. 同年2月, 発熱, 呼吸困難のため緊急入院となった. 外来で行った気管支鏡検査では右上葉枝の閉鎖が確認され, 入院後のCTでは右上葉の肺化膿症が疑われた. 抗生剤治療を行ったが, 炎症所見の改善が得られず, CTガイド下に前胸壁から膿瘍ドレナージチューブ(ピッグテールカテーテル)を挿入. その後炎症所見は改善したが, 膿性の排液は持続した. 3月15日に診査胸腔鏡を行ったところ, 右上葉の低形成に伴う肺膿瘍と診断し, 膿瘍ドレナージ(バルーンカテーテル)を継続した. 初回ドレナージ後48日目に膿瘍皮膚痩は閉鎖した. 閉鎖後, 微熱, 咳嗽, 喀痰が出現し, 胸部Xp, CTで膿瘍腔の拡大を認めたため, 再度ドレナージチューブを挿入した. 炎症所見が改善したところで, 5月9日に開窓術を施行した. 術後の経過は良好である. 肺化膿症を合併した気管支閉鎖症は稀であるため報告する.