著者
藤若 恵美 進藤 貴子 永田 博
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.351-357, 2010

本研究の目的は,祖父母との親密性と介護経験の両面から孫世代である大学生の介護観を検討すること,そして,孫世代が介護を実際にどの程度担うことができると考えているのかを介助に対する自信によって測定し,介護場面での孫世代の役割について検討することであった.その結果,祖父母との親密性が高い孫世代は,親密性の低い孫世代よりも家族介護意識と社会的介護意識の両方が高く,家族介護にとどまらず,介護を支援する社会資源にも目をむけていた.祖父母との親密性と介護経験の交互作用はいずれの介護意識においても認められなかった.また,孫世代は現時点で間接的な介助を行う自信があることが示され,介護場面において孫世代が重要な存在となり得ることが示唆された.