著者
三木 成彦 副井 裕 藪木 登
出版者
津山工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

カラー情報を用いて道路標識の検出する方法の開発を目的とし,以下の項目に対して研究を行った.1.いろいろな環境(主に晴れ,曇り,雨)において各天候,各時期,各時間の色分布を調べ,それらの環境に対応できるよう,各環境のデータをまとめ各色毎の分布関数を作成した.さらに,少なめの収集データにおいても分布関数が作成できるように,数式表現で色分布関数を作成できるようにした.これにより,色分布を広めにしたり,狭めにしたりでき,検出実験が行いやすくなり,従来よりも安定した色抽出が可能となった.2.ニューラルネットワークを用いた方法では,画像における各画素の色を検出する方法を開発した.対象標識は最高速度標識とし,検出実験を行った.晴天の場合の検出率は高かった.条件の悪い,雨天・逆光の場合は誤検出が多く見られた.そこで,逆光の場合,暗いところを検出し,そこを明るくして色検出を行うなどして,改良を加えた.まだ十分とはいえないが,色検出はそこそこの結果を得た.3.画像エネルギー関数を考慮したActive Netを用いた標識検出のプログラム作成と実験を行った.従来の方法では,画像の中央付近に対象標識が存在しないと対象を抽出することは困難であったが,Active Netの形状を変更することにより,画像の周囲に存在する対象も抽出することが可能となった.さらに,安定な抽出を行うために,等面積ネット構造を提案した.このネット構造を用いて,道路標識を検出するプログラムを開発し、実験を行い,外側にある対象の対象捕捉率が向上し,良好な結果を得た.4.検出された道路標識の種類を識別する方法については,ある仮定のもとでの予備実験ではうまくいったが,実際の画像を用いた場合は十分実験ができなかった.