- 著者
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西原 典則
- 出版者
- 鹿児島大学
- 雑誌
- 鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, pp.177-185, 1958-10
稲白葉枯病に対して抵抗性を異にする6品種の水稲について7月4日(移植期), 8月22日, 9月2日, 及び9月20日の4回にわたり葉の圧搾汁液を採取しその滲透圧, 比電気伝導度, 全窒素, 全糖, 乾物, 灰分, 及び有機物含有量を定量して次の結果をえた.1.滲透圧, 全窒素, 乾物, 及び有機物含有率は移植期から9月上旬まで減少し9月下旬には増加した.2.比電気伝導度及び灰分含有率は生育の進むに従い低下した.3.全糖含有率は移植期から8月下旬まで増加し9月上旬には減少したが, その後最上位葉では増加し第3葉では減少した.4.滲透圧, 比電気伝導度, 全窒素, 全糖, 乾物, 灰分, 及び有機物含有率の品種間差異は生育時期及び葉位によつて異り一定の傾向を認めえなかつた.5.比電気伝導度/氷点降下度及び全糖/全窒素は水稲の生育時期によつてその値を異にしたが, 9月下旬において抵抗性品種は罹病性品種に比して比電気伝導度/氷点降下度が小で全糖/全窒素が大であつた.6.全窒素含有率と比電気伝導度, 全糖, 灰分含有率, 及び有機物含有率と比電気伝導度, 灰分含有率との関係を除き, 滲透圧, 比電気伝導度, 全窒素, 全糖, 乾物, 灰分, 及び有機物含有率の間には夫々相関が存在した.