著者
西国領 君嘉
出版者
日本大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

日本舞踊家初代吾妻徳穂の舞踊活動におけるアーカイブ化を目的とし、初代徳穂の「春藤会」「夫妻会」「定式舞踊研究会」「アヅマ・カブキ」「徳穂三趣の会」の公演プログラムをはじめとする文献、吾妻流関係者や舞踊界で親交のあった舞踊家や演奏者へのインタビューを行なっている。これまでの調査では、渋谷区に所在する吾妻流事務所を訪問し、保管されている過去資料の閲覧しながら、初代徳穂の義娘であり二代目吾妻徳穂の実母である吾妻花舟氏にインタビューをし、資料の収集と倉庫の整理を行なうことが、本研究の主軸であった。ここで得た情報から、その他のルートへ派生し調査の枠を広げていた。しかし、当該年度は新型コロナウイルスによる自粛と、花舟氏の高齢化と体調不良により、これまでのような調査は行えなかった現状がある。研究計画では、国内の調査と並行して、アヅマ・カブキの調査のため、米国とヨーロッパを訪問する予定であったが、それも叶わなかった。その中でも本年度は、清元梅吉氏から第1回アヅマ・カブキのインタビュー調査、明治大学教授神山氏から第2回アヅマ・カブキの資料を拝借することができた。これまでの調査では、舞踊の参加者からしか話を伺えなかったが、梅吉氏のインタビューにより、演奏者という違う立場の人物からアヅマ・カブキを知ることができた。また、神山氏の資料は、第2回アヅマ・カブキに発つ初代徳穂への激励の電報や、米国各市の市長などとのやりとりを綴ったスクラップブックであった。このスクラップブックについては、初代徳穂の親交を知る花舟氏にインタビューしながら調査を進めなければ難しいものであるため、先述の理由から進行が滞っている。令和3年度は最終年度にあたるが、まだ資料の収集と調査が足りていないように感じている。
著者
西国領 君嘉
出版者
東京藝術大学
巻号頁・発行日
2015

http://id.nii.ac.jp/1144/00000540/