著者
新美 秀和 鎌田 千花 土井 美里 中西 一輝 西堀 咲輝 西山 淳 久武 貴昌 松浦 健吾 山川 綾音
出版者
聖泉大学
雑誌
聖泉論叢 (ISSN:13434365)
巻号頁・発行日
no.21, pp.49-63, 2013

本稿では,大学のゼミ活動の一環として実践した「河童を用いた想像遊び」について報告した.活動の具体的内容は,ある学童保育で実践している活動(NPO 法人芹川子育て支援部門,2013)を参考にして原案を作成し,活動の場となった幼稚園の園長先生及びクラス担任との協議を経て決定した.協議の結果,5回の活動時間が与えられることとなった.1回あたりの活動時間は30分〜1時間,頻度は週に1回であった.第1回は彦根にいるとされる妖怪を紹介し,第2回と第3回では河童の絵本を読み,第4回目には河童への絵手紙を園児たちに作成させ,第5回目には河童からの返事を手渡した.5回の活動が終了した後,保護者に対し自由記述のアンケートにとったところ,園児たちはすっかり河童の存在を信じ込んだこと,また休日などに親子で河童を探しに近所を散策したことなどが報告された.最後に,今回の活動が園児に及ぼした影響,保護者に及ぼした影響および,本稿執筆者たちに及ぼした影響について論じた.