著者
小林 範之 西山 竜朗
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,ため池堤体の劣化度と動特性関係の明確化と性能劣化予測モデルの構築を目的とした.愛媛県の3つのため池で比抵抗電気探査,表面波探査および常時微動計測を実施した.また,地下水位-固有振動数関係の明確化のために,実験土槽内で模擬地盤を作成し,常時微動計測を実施した.固有振動数と地下水位の上昇による地盤の強度や有効応力の低下には相関があり,当初からの強度低下や有効応力の減少を劣化度とすれば,劣化度-動特性関係が求められ,常時微動計測によりため池堤体の劣化を推定できる可能性を示唆した.また,モンテカルロフィルタを用いてため池堤体の減衰定数と剛性を推定し,堤体の性能劣化の予測を試みた.