著者
後藤 太一郎 西岡 正泰 富野 孝生
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 (ISSN:13466542)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.101-109, 2003-03

三重大学教育学部理科教育講座において、2002年度にフレンドシップ事業として「夏休み・子ども科学教室」を津市内の小学校5・6年生46名を対象に行った。児童には、2日間で物理・化学・生物・地学の4分野の実験を体験させるプログラムを作成し、理科教育コースの学生1・2年生が指導に当たった。アンケート結果から、児童には好評であり、実験は児童の今後の学習に役立つと考えられる。学生の多くは、この教室が子どもへの理解、教員への自覚、および他者との関係につながったと回答していたが、企画・運営に関する取り組みは低かった。理科に強い学生を育てるための一環として、フレンドシップ事業を進めるための今後のあり方について考察した。
著者
平内 勝男 速水 栄治 西岡 正泰
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.364-366, 1995-12-05 (Released:2017-02-10)
参考文献数
1

「気柱の共鳴による音さの振動数の測定」における学生物理実験では,従来,実験班によってその測定値に,かなりのバラツキがあった。そこで,前回実験装置の改良を行い,音さの振動数測定値のバラツキは,かなり減少した。今回,さらに引き続いて実験装置の改良を行った。気柱共鳴管内の水位の位置を正確に捉えるために,コック付送気球を用いて水面レベルの微調整ができるように,実験装置の工夫・改良を行った。その結果,この装置を用いた学生物理実験における音さの振動数測定値のバラツキは,さらに小さくなり,実験結果の精度が高まった.さらに,学生の感想によると,この装置の採用により,簡単に共鳴点が見つけられるなど,実験がしやすくなったことがわかった。
著者
川上 晃 西岡 正泰
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.358-363, 2001
被引用文献数
2

ガラス製注射器とフラスコ等を利用して,実際に水汲み仕事ができるニューコメン大気圧機関の実動模型を製作し,熱効率の測定を試みた。機関部のP-V図を求めることができた。熱損失を含まない機関部の熱効率,熱損失を含む機関部の熱効率,水汲み仕事の熱効率はそれぞれ3.3%,0.33%,0.029%であった。また,ボイラー部で供給される熱量をQ_1,冷却水が吸収した熱量をQ_冷とすると,((Q_1 - Q_冷) /Q_1) × 100の値は43%であった。これらの値を考察することにより,ワットが自らの蒸気機関の発明において分離凝縮器や蒸気ジャケットを設けた根拠を明確に示すことができた。最後に教材としての価値と視点を論じる。