著者
谷口 洋 西川 ゆみ 横山 きのみ
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

前漢までの文学は、作者とされる人物の伝説とともに伝承された。司馬相如の場合、戦国の伝説の枠組みをとどめつつ、庶民の欲望を体現したキッチュなヒーローとして語られてゆき、その人物像が「長門賦」にまつわる伝承につながってゆく。宋玉ともなると、伝承と「作品」との境界すら曖昧であり、その「作品」は、むしろ後世における文学概念の定立に伴って析出されたものである。前漢の賦は現存数は少ないとはいえ、史書の伝記に収められ、比較的完全な形で伝わるが、それも作者の伝説と結びついているためである。以上の研究に加え、これまでの国内の辞賦研究の全体を見渡すことのできる文献目録を作成した。