著者
西村 文子 岩松 利香 大池 茜 藤原 知子
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.34, 2012

クンツァイトとはスポデュメン(リチア輝石 LiAlSi2O6)の一種で、ペグマタイト鉱床から産出される。スポデュメンのうち、特にピンク~紫色石のスポデュメンはクンツァイト、クロム着色の緑色石はヒデナイトと呼ばれている。クンツァイトは1902年にアメリカ カリフォルニア州にて発見され、近年は主にアフガニスタン、ブラジル、マダガスカルで産出される。クンツァイトは退色しやすく、また、放射線を照射すると緑色に変化すると言われている。<BR>GEMS & GEMOLOGY(2001)には米郵政公社が始めた郵便物への放射線照射により、一部の宝石が影響を受けたことが報告された。その中でクンツァイトも放射線照射の影響を受けて緑色に変化し、自然光の下で短時間のうちに元のピンク色に戻った事が言及されている。<BR>色調の変化をより詳しく調べる為に、今回複数の産地からクンツァイトを入手した。放射線照射、退色テスト、加熱処理を施してその変化を観察すると共に、FTIR、EDXRF、可視分光スペクトル測定を行いその推移を考察した。幾つかの知見を得たので報告をする。
著者
渥美 郁男 西村 文子
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.35, 2013

トラピッチェ(Trapiche)とはスペイン語でサトウキビの搾り機の意味である.その歯車に似た6方向に広がる放射状結晶の呼称に用いられ,トラピッチェ・エメラルドが特に有名である.しかし近年,ミネラルショーなどで「トラピッチェ」と呼ばれる3方向に放射状模様を示す薄片状のダイヤモンドが販売されており話題を呼んでいる.ダイヤモンドは等軸晶系に,エメラルドは六方晶系に属すことが知られており,その結晶系の違いから明らかに外観や構造が異なる.これらのことからダイヤモンドがトラピッチェと呼ばれることの是非についても議論を呼ぶところである.今回はこれらの模様が見られるダイヤモンドについて拡大検査や幾つかの分析を行ったので簡略に報告する.また最近観察された珍しいダイヤモンドについても言及する.