著者
西村 直登 Naoto Nishimura
出版者
同志社コリア研究センター
雑誌
同志社コリア研究叢書
巻号頁・発行日
vol.4, pp.11-52, 2021-03-19

第1部 過去をめぐる葛藤
著者
西村 直登 Naoto Nishimura
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
社会科学 = The Social Science(The Social Sciences) (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.33-61, 2017-05-31

本稿は、1923年9月1日に発生した関東大震災を経験した朝鮮人にとって、朝鮮への帰還がどのような意味を持ったのかについて検討したものである。震災下における朝鮮人の帰還は、震災発生直後から「排外心のるつぼ」と化した日本から逃れるための、いわば「避難」としての帰還にとどまらなかった。「避難」は文字通りの「災難を避けて、安全な場所へ立ち退くこと」だけでなく、生き延びようとする、そして真相を明らかにするための「抵抗」の表れであった。