- 著者
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山下 広美
金行 孝雄
西江 知子
辻岡 智子
伊月 あい
木本 眞順美
比江森 美樹
辻 英明
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.55, pp.155, 2003
[目的] 持続的運動の最中、肝臓では脂肪酸のβ-酸化が盛んに行われ、著量のケトン体が生成される。ケトン体は血中に放出されると筋肉組織に取り込まれ、ミトコンドリア内で酸化分解を受けてエネルギーに変換される。持続的な運動を継続すると持久性は向上するが、演者らは、肝外組織のケトン体利用活性増大にその一因があると考えた。本研究では約1ヶ月の持久性トレーニングをラットに施し、その筋肉のケトン体利用活性について調べた。[方法] 4週齢の雄ラットに電動回転カゴを用いて速度17.7m/min での運動を毎日1時間課し、約1ヶ月間継続した。実験期間中の体重および摂食量を記録した。運動群および運動をさせなかった対照群のラット3匹ずつを解剖し、肝臓、心臓および骨格筋からミトコンドリアを単離した。単離したミトコンドリアについて、β-ヒドロキシ酪酸を基質とした呼吸活性およびβ-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素(HBD)活性を測定した。さらにHBD遺伝子の発現を調べるために各組織からRNAを抽出しノザンブロットを行った。[結果] 運動群ラットにおける心臓ミトコンドリアの呼吸活性は、対照群と比較して有意に増加していた。肝臓、心臓および骨格筋ミトコンドリアの HBD活性を比較すると、心臓および骨格筋における本酵素活性は運動群で増加していたのに対して肝臓では変化していなかった。心臓および骨格筋ではケトン体利用活性が上昇していることが示唆された。各組織におけるノザンブロット解析の結果、心臓において本酵素遺伝子の発現が有意に増加していた。