著者
西沢 秀男 元場 一彦 鈴木 孝 大島 哲治 浜口 洋 内田 又左衞門
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.p59-66, 1993
被引用文献数
1

フェンピロキシメートのラットにおける代謝を3種の^<13>C-標識体を用いて検討した.[pyrazole-3-^<14>C], [phenyl-^<14>C(U)]あるいは[benzene ring-^<14>C(U)]-標識体を経口投与したとき, 血液中放射能はそれぞれ投与後12, 12および9時間にピークとなり, その後半減期11.3, 10.6および9時間で減少した.放射能の主排泄経路は糞で, 投与後72時間までに糞には投与量の63.9&acd;65.5%が, 尿中に26%が排泄された.[benzene ring-^<14>C(U)]-標識体を経口投与したときの放射能の主排泄経路も糞で投与量の86.9%であった.3種^<14>C-標識体の代謝物を分析した結果, フェンピロキシメートはラット体内でt-ブチル基およびピラゾール環3位のメチル基の酸化, フェノキシ基p-位の水酸化, N-脱メチル化, t-ブチルエステルの加水分解, オキシムエーテル結合の解裂およびE/Z異性化を受けることが明らかとなった.