- 著者
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西村 佳子
西田 小百合
- 出版者
- 京都産業大学
- 雑誌
- 京都産業大学論集. 社会科学系列 (ISSN:02879719)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, pp.177-192, 2013-03
確定拠出年金導入企業は、加入者に運用資産メニューを提示し、加入者は制約の下で運用を行う。本 稿では、雇用主(企業)側の行動を明らかにする第一歩として、企業型確定拠出年金担当者に対するア ンケート調査のデータを用いて、雇用主の確定拠出年金提供に対する姿勢(熟練度や熱心さ)と提供さ れる選択肢の関係について分析を行った。分析の結果、他の退職給付制度や年金からの資金の移換がな く、確定拠出年金の導入時期が遅く、担当者の熱心でかつ熟練度が高く、従業員数が少ない企業は、元 本確保型金融商品に偏らない運用資産メニューを提示する傾向があることがわかった。反対に、移換資 産があり、確定拠出年金の導入時期が早かった企業は、確定拠出年金の運用資産メニューに占める元本 保証型金融商品の割合が高い傾向があることが明らかになった。1.はじめに2.確定拠出年金導入企業が加入者に与える影響3.確定拠出年金導入企業に関する分析4.おわりに