著者
西田 津紀子 西村 良二
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.431-435, 2015-10-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
6

福間病院で長期臨床実習を行った作業療法学生11名を対象に, 当院で提示している課題が学生の教育にもたらす効果について調査した. 結果は, 知識面では過去の国家試験問題を再編成し利用したところ, 実習の前後で有意差はみられなかった. 技能面ではLASMIの「対人関係」と「労働または課題の遂行」の項目を利用し, 「対人関係」では有意差 (p<0.01) が認められ, 「労働または課題の遂行」では改善の傾向がみられた (p<0.10) . 態度面ではATDPを利用し, 山本らが抽出した3因子について比較した結果, 第2因子「能力の否定」について否定的な態度への変化に傾向がみられた (p<0.10) . 今回の結果から当院で提示した課題がどの程度影響を与えたかについて考察し, 今後の臨床実習についていくつかの提言をした.