著者
尾崎 洋二 柴橋 博資 矢崎 紘― 大塚 孝治 関口 雅行 片山 武司 遠山 潤志 高瀬 雄一 今西 章 丸山 浩― 青山 惇彦 西田 生郎
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.4-17, 1999-03

理学部での40年/尾崎先生送別の辞/東大理学部での40年/矢崎紘一先生を送る/退官にあたって/関口雅行先生を送る/思い出と提言/遠山濶志先生を送る/おせわになりました/今西さんを送る/いろいろあった40年/青山さんを送る
著者
西田 生郎
出版者
埼玉大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010

シロイヌナズナの変異株restricted sucrose export1(rsx1)は、ソース葉の葉脈篩部の二次原形質連絡(2°PD)形成が不全となり、糖転流が部分的に阻害される変異株である。RSX1は細胞壁中間層のペクチン酸層を分解して2°PD形成を促進すると考えられる。本研究では、RSX1の原形質連絡局在を、RSX1-EYFPに対する間接蛍光抗体法、アニリンブルーによる原形質連絡カロースとEYFPの共局在、および金コロイド免疫抗体法により証明した。また、高CO_2環境下(780ppm)でのRSX1発現量の増加を、RT-PCR法およびプロモータGUS活性測定から明らかにし、アニリンブルー染色により間接的に高CO_2環境下でのPD形成の強化を明らかにした。さらに、野生株種子は、糖を含まないMGRL培地で発芽できるがその後成長できず、高CO_2環境下(780ppm)でのみ発達できるのに対し、rsx1-2変異株は、通常CO_2環境下でも発芽・成長が可能であるという違いを明らかにした。以上の結果は、RSX1が2°PDの形成、糖転流経路の構築、および高CO_2環境応答に重要な役割を担っていることを示唆している。シロイヌナズナの糖転流経路にはまだ不明な点が多く、今後は、RSX1発現の組織特異性と糖転流能および原形質連絡形成との関係や、RSX1発現部位と篩部積み込み経路におけるシンプラスト経路構築の関係など、未解決の問題として残されている。