- 著者
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服部 恭也
石川 芳治
西谷 香奈
臼井 里佳
- 出版者
- 日本地球惑星科学連合
- 雑誌
- 日本地球惑星科学連合2016年大会
- 巻号頁・発行日
- 2016-03-10
2013年10月、伊豆大島では平成25年台風第26号の通過に伴う豪雨により土砂災害が発生し、甚大な被害に見舞われた。その後も降雨のたびに崩壊斜面の地表が削られ、下流の民家などにも泥水が流れてくる状況が続き、住民は不安を抱えていた。2014年11月、斜面の安定を目的として、発芽力のある外来種を含む植物(マメ科草本、ヤシャブシなど)の種子が東京都によって航空実播された。散布された植物はやがて島の自然植生に移行すると想定されているが、一部の住民からは、島内の植物に与える影響を心配する声も聞かれた。伊豆大島ジオパークでは「ありのままの変化を住民みんなで見守り、考え、納得して暮らすことが大切」と考え、住民からの参加を募り、2015年3月14日から崩壊斜面のモニタリング調査を開始した。伊豆大島ジオパーク推進委員会が中心となり、東京農工大学、環境省、大島支庁土木課の協力を得て、雨量その他の気象状況、流出土砂量、植生の回復状態の調査を1~2ヵ月毎に継続実施している。今回は、2016年3月までの1年間の調査経過・結果と、今後の課題を報告する。