著者
西頭 知子 佐々木 くみ子 末原 紀美代
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.81-88, 2012-04

本研究は,過疎認定地域に住む中学生の性行動と性意識の実態について明らかにすることを目的に実施した。過疎認定地域にある中学校の生徒を対象に自記式質問紙調査を行い,有効回答が得られた171名(71.3%)を分析対象とした。質問紙の内容は,属性,性行動について,性意識について,その他性行動・性意識に関連すると考えられた要因で構成した。得られた結果は,以下のとおりである。1.好きな人がいる割合,デート経験率,初デートの平均年齢において全国規模の調査と同様の結果が得られ,男女差がないという特徴も共通していた。2.今までに受けた性教育は,身体の生理や性感染症の病態的側面に関することが多かった。3.生徒たちは,家族,友人など周囲の人々と親密な関係を築いていることがうかがわれた。4.性に関する情報源は"友人"が多く,その他"雑誌"や"ビデオ"などのメディアがあげられた。5.生徒の約6割が友人と性に関する会話をしており,性に関する会話をしている生徒では友人の性的な行動や経験への関心が高かった。