著者
覚知 亮平
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.72, no.9, pp.550-560, 2015-09-25 (Released:2015-09-25)
参考文献数
78

本報は,有機反応の精密設計に基づく新規高分子反応に関する検討をまとめた.有機分子触媒を活用したアシル移動反応により,安定エステルを有するポリマーとアミンとの高分子反応に成功した.さらに,活性化エステル含有モノマーの精密設計により,熱刺激による反応性変化や高分子鎖の局所的修飾反応も達成可能であった.活性化エステルのみならずさまざまな新しい反応を活用した高分子反応の開発に関しても詳細に検討した.角田試薬を用いた光延反応を高分子反応に適用することで,連続的高分子反応やポリアミン合成など新たな合成戦略の提案に成功した.また,Kabachnik-Fields反応などの多成分連結反応による高分子反応により,モノマー単位当たり2個以上の官能基が導入可能であった.
著者
覚知 亮平
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本年は昨年の研究成果を存分に活用し、引き続きDNAセンサーの開発を行った。昨年の経過より、DNAやRNAがポリアニオンであることに着目した分子設計を試みた。具体的には、ポリフェニルアセチレンの側鎖にアニオンレセプターとして働くスルホンアミド基の導入を行った。その結果、得られたポリアセチレン類にアニオンセンシング能を付与できることが分かった(PPA-Sulfonamide)。また、側鎖官能団に電気吸引性基を導入することで、ポリマーのアニオンセンシング能を自在に調節可能であった。重要なことに、強力な電気吸引性基であるp-ニトロフェニル基を用いることで、DNAの構成要素であるリン酸アニオンを目視により判別可能であった。さらに、得られたポリマーの水/ジメチルホルムアミド(DMF)混合溶液に、ゲストアニオンを添加することで、ポリマー溶液の明らかな色調変化が観測された。この結果は、現在でも困難を極める、水中におけるアニオンセンシングを達成した点で意義深い。従って、以上の結果より、ポリフェニルアセチレンを応答部位として用いるDNAセンサーの実現に向けた礎を築けたと考えている。